キーワード コミュニケーション、構築主義、初期エスノメソドロジー、語り、リアリティ 講 義 概 要 [授業の目的] コミュニケーションとは、たんなる意思伝達の「手段」ではなく、それ自体ひとつの「ふるまい」であり「社会現象」である。このような理解を可能にさせる構築主義あるいは(初期)エスノメソドロジーと呼ばれる社会学的な視座から「コミュニケーションとは何か」について説明することができる。 [授業の概要] コミュニケーションは、たんなる意志伝達の「手段」ではない。社会学的にみれば、それ自体立派な「社会現象」なのである。はたして人々は、いかにして理解し合えるのか。本講義では、社会学における構築主義、あるいは(初期)エスノメソドロジーの立場から、いかにしてコミュニケーションは可能なのか、についてアプローチしてみたい。 到 達 目 標 1.構築主義的・エスノメソドロジー的視点でコミュニケーションを説明することができる。 2.構築主義あるいはエスノメソドロジーという社会学的な方法論について説明することができる。 3.構築主義的・エスノメソドロジー的視点でコミュニケーションを記述することができる。 授 業 計 画 1回目 | コミュニケーションから常識を対象化する――発せられたことばは消えてなくなるのか? | 2回目 | 「心」の常識的理解――それは本当に目に見えないのか? | 3回目 | 動機の語彙――動機を語ることで人は何をやっているのか? | 4回目 | 心の公共性――はたして私の心は私のものなのか? | 5回目 | 心の透明性と不透明性――それが見える/見えないとき、何が起こっているのか? | 6回目 | ことばに意味はあるのか?――「そこに立っていろ」の“そこ”とはどこなのか? | 7回目 | 場面がつくりだすことば――文脈依存性とは何か? | 8回目 | ことばがつくりあげる場面――社会的場面はいかにして可能なのか? | 9回目 | 秩序はいかにして可能か?――社会学の中心的な問い | 10回目 | 西欧社会学の秩序観――平和のまえには闘争がある!? | 11回目 | リアリティのポリティクス――現実ははたして1つだけなのか? | 12回目 | 「おまえの心の迷いです」――自分が「正しい」と思ったとき、その人は何をするのか? | 13回目 | 秩序と無秩序――それらは相反するものなのか? |
評 価 方 法 詳細情報:毎回の小レポート(400字以上)を課す。毎回授業中に実施する。 評価基準:毎回の授業内容に関する問いに対して的確に答えを記述できているかどうか。しかるべき時期に授業内にて解説する。
詳細情報:最終レポート(2,500字以上)を課す。 評価基準:これまでの授業内容に関する問いに対して的確に答えを記述できているかどうか。模範となるレポートを別途提示する。 授業の方法 対面 教 科 書 テキストは使用しないが、それに代わる資料を適宜配布する。 参 考 書 ハロルド・ガーフィンケルほか著、山田富秋ほか編訳、 1987、 『エスノメソドロジー――社会学的思考の解体』せりか書房、2,750円、ISBN4796701494 中河伸俊・土井隆義・北澤毅編、 2001、 『社会構築主義のスペクトラムーーパースペクティブの現在と可能性』ナカニシヤ出版、2,750円、ISBN4-88848-644-1 足立重和、 2010、 『郡上八幡 伝統を生きる――地域社会の語りとリアリティ』新曜社、3,630円、ISBN978-4-7885-1202-3 備 考 ・追手門学院大学授業受講上のルールを厳守すること。 ・質問等は、LMS等を通じて受け付ける。
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