キーワード 地域コミュニティ、心理学的アプローチ、まちづくり 講 義 概 要 [授業の目的] 日本は人類史上例を見ないほど急速に人口減少社会に移行しており、そのことは地域社会においても様々な問題を生じさせている。また、地方自治体の財政難により、これまでの行政的な手法だけでは、地域コミュニティにおける諸問題の解決が困難となっている。その一方で、NPOやボランティア団体等の活動による、まちづくり活動がある程度は活発に行われるようになり、市民自身によって問題解決が取り組まれている。この授業では、さまざまなテーマに関する身近なまちづくり活動について、コミュニティ心理学の理論的枠組みを用いて検討し、諸問題の解決への有効なアプローチについて理解を深め、かつ、そのような分析能力を受講生自身が身につけることを目的とする。 [授業の概要] まちづくりにかかわる基礎的なコミュニティ心理学および社会心理学の諸概念について解説を行うとともに、具体的な研究事例やまちづくり活動について紹介を行う。そして、自らが一市民として日常生活を送っている地域コミュニティについて受講生各自による理解と考察を深める。なお、授業は講義形式で行う。 到 達 目 標 1.コミュニティ心理学の概念と理論を用いて現実の問題を検討できる。 2.取り上げたまちづくり活動の概要について説明できる。 3.様々な分野でのまちづくりの取り組みについてSWOT分析の枠組みを用いて分析できる。 4.まちづくり活動について、自分で行った分析結果や評価に基づき解決策を提言できる。 授 業 計 画 1回目 | コミュニティ心理学の歴史と基本概念 | 2回目 | 犯罪とコミュニティ(1) :近隣コミュニティと犯罪予防 | 3回目 | 犯罪とコミュニティ(2) :近隣コミュニティと犯罪に関する理論 | 4回目 | 犯罪とコミュニティ(3) :再犯防止と社会内処遇 | 5回目 | 災害とコミュニティ(1):リスク認知の特徴 | 6回目 | 災害とコミュニティ(2):地域での防災対策・活動 | 7回目 | 環境問題とコミュニティ(1):地域環境問題の構造 | 8回目 | 環境問題とコミュニティ(2):環境配慮行動の意思決定プロセス | 9回目 | 景観とコミュニティ(1):景観意識の変遷 | 10回目 | 景観とコミュニティ(2):景観をめぐる問題と法制度 | 11回目 | 景観とコミュニティ(3):景観のよさの評価 | 12回目 | ボランティアと市民参加(1):ボランティア活動の概要 | 13回目 | ボランティアと市民参加(2):ボランティアへの参加とコミュニティ | |
評 価 方 法 詳細情報:毎回のミニレポート 評価基準:ミニレポートのテーマについて、授業で解説したコミュニティ心理学の概念と理論を用いて考察し、適切にまとめられているかで評価を行う。
詳細情報:期末レポート 評価基準:期末レポートにおいては、以下の3点から評価を行う。 1.取り上げるまちづくり活動の概要を適切にまとめて紹介できている。 2.SWOT分析およびクロスSWOT分析の枠組みを用いて検討できている。 3.自分で行った分析結果や評価に基づき解決策を提言できている。 授業の方法 対面 教 科 書 加藤潤三・石盛真徳・岡本卓也(編)(2013)「コミュニティの社会心理学」 ナカニシヤ出版 ISBN:4779508045 3,300円 参 考 書 植村勝彦 ・高畠克子・箕口雅博・原裕視・久田満(編)(2017)「よくわかるコミュニティ心理学[第3版]」 ミネルヴァ書房 ISBN:4623080919 2,750円 備 考 ・追手門学院大学授業受講上のルールを厳守すること。 ・質問等は、LMS等を通じて受け付ける。
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