講 義 概 要 初任給22万円の企業と30万円、さらには41万円の企業。この差は何故生じるのか。あの会社は副業OKなのに、こちらの会社ではそれは無理。どうしてなのか。 企業はその目標達成の為にヒトを管理し動かすが、人事制度は目標達成に向けてヒトの行動をコントロールするもののひとつとして機能する。したがって、上で見た違いは、どのようにヒトを動かしたいかという組織の考え方の違いの表れともいえる。これから仕事に就くにあたり、自分がどのように動かされるのか、その仕組みはどうなっているのかを知っておくことは決して無駄ではないはずである。本講義では、今日の人的資源管理システムやその問題について、特に制度の面から論じることに主眼を置く。 ヒトを管理する方法(これが、人的資源管理)と同時に、管理のされ方(これは自分の働き方につながります)も学ぶことにより、みなさんがこれからの働き方、生き方について考えることの助けとなるようなものにしたいと考えている。 毎回課題を設定し、それについての意見をマイクを回して聞いたりしながら、できる限り双方向的な授業を行っていく。したがって、受講者は発言の義務があると了解の上で履修してもらいたい。 到 達 目 標 ・人的資源管理、特に制度に関することがらの概念、専門用語の理解。 ・日本の雇用、労働をめぐることがらの歴史的事実の認識。 ・働くことに関する最低限の法的知識の修得。 ・自分の働き方を考え、キャリアをデザインすること。 ・「考えてくる課題」(講義時に説明する)に対して、自分なりの考えを確立し、意見を述べられるようにすること。 授業手法 / Teaching Methods ・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック ・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む) 授 業 計 画 第1回 1.人的資源管理論2を学ぶにあたり | 第2・3回 2.人事労務管理制度とその変化 | (1)賃金管理 〜給与は何に対して払われるのか? | 第4・5回 (2)昇進管理とキャリア 〜誰が将来を決めるのか? | 第6回 ゲストスピーカーのご講演(予定) | 第7・8回 (3)労働時間管理 〜どうして働く時間は自分で決められないの? | 第9・10回 (4)雇用管理 〜雇用保障は昔の話? | 第11・12回(5)労使関係管理 〜労働組合は要らないのか? | 第13回 DVDから学ぶ | 第14回 3.新しい働かせ方・働き方の可能性 | (1)新しいパラダイム | (2)自律的な個人と仕事生活、仕事を離れた生活 | 第15回 予備日 | (開講時に、確定したより詳細な授業計画を配布する。) | 授業時間外学習 / Expected work outside of class | 普段から新聞、雑誌、街歩き、自分とは違う世代との会話等を通じて、社会の変化、特に企業や雇用をめぐる状況に目を配っておくこと。 |
評 価 方 法 定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。 期末試験(60%)、毎回の課題テスト(30%)、授業時ミニ・レポート(10%) 基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy 到達目標の達成がなされていると判断できる水準。 授業の方法 対面 オフィスアワー LMSまたはメール( morita@kansai-u.ac.jp ) 教 科 書 上林憲雄・厨子直之・森田雅也 『経験から学ぶ人的資源管理〔第3版〕』 有斐閣、2025年。 加えて、適宜プリント配布。 参 考 書 上林憲雄・平野光俊・森田雅也 編 『現代 人的資源管理』 中央経済社, 2014年。 上林 憲雄・奥林康司・團 泰雄・開本 浩矢・森田 雅也・竹林 明・中村志保 『経験から学ぶ経営学入門〔第3版〕』 有斐閣, 2025年。 森田 雅也 『チーム作業方式の展開』 千倉書房, 2008年。 ブラットン, J.、ゴールド, J.著、上林・原口・三崎・森田 監訳 『人的資源管理』 文眞堂, 2009年。 その他については講義時配付資料で適宜指示する。 備 考 ミニ・レポートのフィードバック等を適宜行う。 講義概要に書いたとおり、マイクを通じて自分の意見を表明することを受講者の責務としているので、受け身ではなく、積極的に参加する意志を持って臨んでもらいたい。 これまで同様、企業の人事担当者のご講演とビデオを見て考える授業1コマを取り入れていく予定にしている。ただし、ご講演は取り入れられない場合もある点は了解の上で履修してほしい。 ヒューマングループに着目して検討を進める「人的資源管理論1」も春学期に受講しておく(既に受講済みである)ことが望ましい。 |