20世紀から21世紀へ時代は大きく変化をしている。近代は私たちに便利で快適な生活を与えてくれたが、その反面、さまざまな 環境問題や社会問題を引き起こした。講義では、時代はどのように変化しているのかを概観し、近代という時代がどのように始まり、どのように発展してきたのか、を理解するとともに、近代の特徴や課題について考察を行う。また、近代の課題を克服するために必要な新たな社会システムのあり方について学習する。具体的には、ネットワーク組織論や創発を誘発する場のあり方などネットワークがもたらす協力社会のあり方、それに対応した新しいライフスタイルについて考察する。また、グローバル経済に対峙したローカルな経済システムの構築についても考えていく。
授業内容は以下のとおりです。なお、学生のみなさんの理解度合いを見ながら進めていくので、シラバスの回数と若干のずれが生じたり、内容を前後させることもあります。 |
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第1回 時代の転換期 |
具体例を示しながら、現在、私たちは時代の転換期にいること、それは近代からポスト近代への移行という人類史上に位置づけられる大きな転換期であることについて解説する |
予習内容:身近で起こっている社会の変化について、自らの経験から考えてみる(30分) |
復習内容:講義内容を理解するとともに、学習した時代の変化が、社会の中で具体的にどのように展開しているのか、新聞等で確認してみる(60分) |
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第2回 第3の波(1) |
A.トフラーの「第3の波」を手がかりに、社会の変化の方向性について考える |
予習内容:身近で起こっている社会の変化について、自らの経験から考えてみる(30分) |
復習内容:講義内容を理解するとともに、学習した社会の変化が、社会の中で具体的にどのように展開しているのか、新聞等で 確認してみる(60分) |
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第3回 第3の波(2) |
A.トフラーの「富の未来」を手がかりに、これからの社会のあり方について考える |
予習内容:近年増えつつある新しい働き方について考えてみる(30分) |
復習内容:内容を理解するとともに、学習した富や働き方の変化が、社会の中で具体的にどのように展開しているのか、新聞等で確認してみる(60分) |
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第4回 近代再考 |
哲学者や思想家が近代の課題についてどのように考えたのかを学習する |
予習内容:中学・高校で学習した20世紀の思想家の思想について、改めて理解し直す(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、哲学者・思想家が近代の課題をどのように認識していたのかについて理解を深める(60分) |
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第5回 近代を見直す(1) |
F.ガタリの「3つのエコロジー」を手がかりに、近代の問題点を理解し、今後の方策について考える |
予習内容:近代の考え方がどのような課題を生み出しているのか、自分なりに考えてみる(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、「3つのエコロジー」が指摘した内容について理解を深める(60分) |
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第6回 近代を見直す(2) |
近代の時間感覚の特徴について考える |
予習内容:時間をどのように捉え、日々の生活を送っているか、自分なりに考えてみる(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、近代化が時間感覚をどのように変化させたかについて理解を深める(60分) |
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第7回 近代を見直す(3) |
I.イリイチやM.ヴェーバーの言説を手がかりに、近代の弊害とこれからの社会のあり方について考える |
予習内容:利便性や効率性を重視しすぎることで生まれる社会問題について考えてみる(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、近代社会の背景にある問題点について理解を深める(60分) |
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第8回 新しい公共の時代(1) |
なぜ今「住民主体のまちづくり」が求められているのか、市民自治の意味から考えてみる |
予習内容:住民主体のまちづくりの事例について、ネット記事や新聞記事で調べて見る(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、市民自治の必要性について理解を深める(60分) |
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第9回 新しい公共の時代(2) |
Y.ベンクラーの『協力がつくる社会』を柱に、国家・行政システム、経済システム、協力システムの特徴を解説し、これからの社会では協力システムが重要であることを理解する |
予習内容:中学・高校で学習した、政治・経済のしくみについて復習する(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、3つの社会システムについて理解を進める(60分) |
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第10回 ネットワーク社会にふさわしい社会システム(1) |
ネットワーク組織と階層組織の特徴の違いを理解し、これからは自律や支援が重要になることを理解する |
予習内容:今まで所属してきた組織がどのような特徴を持っていたのか、自分なりに考えてみる(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、自発性を促す手法について理解を深める(60分) |
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第11回 ネットワーク社会にふさわしい社会システム(2) |
自律を促す方法や自律を基盤とした組織のあり方について解説する |
予習内容:管理と支援の違いについて、自分なりに考えてみる(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、自律を前提とした組織運営について理解を深める(60分) |
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第12回 場と共創 |
21世紀の社会では、場の存在とそこから生まれる共創が大切であることを解説する |
予習内容:情報交換によって新たなものが生まれる身近な事例をさがしてみる(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、場と共創の意味・意義について理解を深める(60分) |
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第13回 信頼を基盤にした互恵社会の構築(1) |
グローバル経済の問題点について考察し、信頼と安心を基礎とした社会づくりについて考える |
予習内容:豊かさ・便利さとしあわせの関係について、自分なりに考えてみる(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、これからの経済システムのあり方について理解を深める(60分) |
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第14回 信頼を基盤にした互恵社会の構築(2) |
R.パットナムのSocial capital(社会関係資本)論を手がかりに、人間関係を基盤とした地域ネットワークシステムの構築手法について学習する |
予習内容:信頼関係でなりたつ社会のあり方について、自分なりに考えてみる |
復習内容:講義内容を振り返り、信頼を基盤した地域社会のあり方について理解を深める |
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第15回 信頼を基盤にした互恵社会の構築(3) |
互恵社会を支えるNPOや社会起業家のあり方について検討する |
予習内容:NPOや社会起業家など新しい働き方の事例を調べてみる(30分) |
復習内容:講義内容を振り返り、社会的起業の意義について理解を深めるとともに、実際の事例について調べてみる。また、定期試験にあたって、到達目標の達成状況を参照しつつ全体を復習する(120分) |
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定期試験 |
講義内容の理解度を筆記試験で確認する |
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