私たちは日常生活において多種多様の商品を消費します。一方で私たちは、これらの商品が誰によって生産されたか、どこで生産されたかについては、知らないことが多いでしょう。生産と直接接することなく商品を入手し消費できるのは、生産と消費との間に介在する流通が機能しているためです。流通のしくみは「流通システム」と呼ばれます。「流通システム論」の講義では、流通システムの現状を具体的事例を通じて紹介するとともに、流通システムの構造とその生成・発展に関する理論的枠組みを解説することにより,現代の流通システムを分析する「目」を養うことを目的とします。そのうち、「流通システム論Ⅱ」では、「同Ⅰ」で学んだ基礎概念をふまえて、日本の流通システムの動態的発展について考察します。
なお、授業方法が変更になる場合は、事前に授業等での通知、もしくはGoogleクラスルームで通知します。
★「流通システム論Ⅱ」を履修するには,「流通システム論Ⅰ」の単位を既に修得しているか,もしくは今年度に履修していなければなりません。
第1回 延期と投機① 生産活動の延期と投機 |
予習内容:祭の縁日などで出店している屋台に関して、注文を聞いてから焼きそばを作る場合と、注文を聞く前からあらかじめ調理をして作り置きをする場合の、長所・短所について考える。 |
予習時間:60分 |
復習内容:生産段階における延期・投機の原理を復習した上で、講義で取り上げたアパレルショップの生産方式の特徴とそれを採用する狙いについて検討して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第2回 延期と投機② 流通活動の延期と投機 |
予習内容:100円ショップとコンビニエンス・ストアの店の様子の相違点について考える。 |
予習時間:60分 |
復習内容:流通段階における延期・投機の原理を復習した上で、講義で取り上げた小売企業の仕入れ方式の特徴とそれを採用する狙いについて検討して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第3回 メーカーのチャネル戦略① チャネル構造の選択 |
予習内容:①資生堂の化粧品ブランドにはどのようなものがあるかを調べる。 |
②それらのブランドがそれぞれどのような小売店で販売されているかを調べる。 |
予習時間:60分 |
復習内容:チャネル構造の基準(長さ、幅、開閉)の意味内容を理解したうえで、講義で取り上げた事例をもちいてそれらを具体的に説明できるかを確認し理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第4回 メーカーのチャネル戦略② チャネル・メンバーの動機づけ:取引依存度モデル |
予習内容:講義で取り上げた資生堂の化粧品ブランドについて、それらのブランドがそれぞれの取り扱い店舗でどのように販売されているかを調べる。 |
予習時間:60分 |
復習内容:①「パワーと依存」の概念の意味内容を確認する。 |
②チャネル・メンバー間のパワー関係が取引依存度によって決まるという考え方の根拠を復習して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第5回 メーカーのチャネル戦略③ チャネル・メンバーの動機づけ:パワー基盤論 |
予習内容:チャネル・メンバー間のパワー関係が取引依存度以外の要因によって影響されることがないかどうかを検討する。 |
予習時間:60分 |
復習内容:取引依存度モデルでは十分に説明できない事象があることを確認したうえで、パワー基盤論の内容と意義を復習して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第6回 さまざまな取引慣行 |
予習内容:以下の用語の意味内容を調べる。①建値制、②リベート制 |
予習時間:60分 |
復習内容:メーカーがこれまで採用してきた様々な取引慣行の内容を確認した上で、その狙いを検討して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第7回 流通系列化 |
予習内容:流通系列化という用語の意味を調べる。 |
予習時間:60分 |
復習内容:流通系列化の類型を確認した上で、どのような場合にどのような流通系列化が採用されやすいかを検討して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第8回 商業者介在の意義 |
予習内容:商業者が社会においてなぜ必要なのかを考える(または「商学A」など既修の内容から復習する)。 |
予習時間:60分 |
復習内容:①生産者・消費者の費用負担の軽減、②商業者自身の費用優位性、の2つの観点から、商業者介在の意義を整理して文章にまとめることで、理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第9回 商業の分化 |
予習内容:卸売業者が社会においてなぜ必要なのかを考える(または「商学A」など既修の内容から復習する)。 |
予習時間:60分 |
復習内容:①「商業の段階分化」の意味内容を確認したうえで、商業が段階分化することの意義について検討して理解を深める。 |
②「商業の部門分化」の意味内容を確認したうえで、商業が部門分化することの意義について検討して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第10回 業種と業態 |
予習内容:小売業者が総合的な品ぞろえの提供を図る際、どのような困難に直面するかを考える。 |
予習時間:60分 |
復習内容:百貨店、総合スーパー、コンビニエンス・ストアが採用した経営革新について、それぞれ内容を確認して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第11回 日本の流通システムの構造的変化 |
予習内容:商業統計(HPで調査結果の閲覧が可能)などから、近年の小売商店数および卸売商点数の推移について調べる。 |
予習時間:60分 |
復習内容:講義で紹介した各種統計資料に基づき、日本の流通システムにおける近年の構造変化の内容を確認して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第12回 流通経路の再編の現状 |
予習内容:取引依存度モデル(第4講の内容)の結論およびそれが示唆する現実的な意味について復習する。 |
予習時間:60分 |
復習内容:講義で紹介した各種企業事例を参照しながら、日本の流通システムにおける近年の流通経路再編の動きの内容を確認して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第13回 卸売業の現状と課題 |
予習内容:以下の業種について、主だった卸売企業にはどのようなものがあるかを調べる。①食品卸売業、②日用雑貨品卸売業、③医薬品卸売業 |
予習時間:60分 |
復習内容:講義で紹介した各種企業事例を参照しながら、近年の卸売業の現状と課題を確認して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第14回 流通政策の展開 |
予習内容:大規模小売店舗立地法について調べる。 |
予習時間:60分 |
復習内容:日本における戦後の流通政策の展開について確認して理解を深める。 |
復習時間:120分 |
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第15回 講義のまとめ |
復習内容:定期試験にあたって、到達目標の達成状況を参照しつつ全体を復習する。 |
復習時間:240分 |
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定期試験 |