講 義 概 要 経済政策Ⅰでは、現代における政府構造、その歴史的な形成過程、主たる機能、各国の違いなど について学ぶ。 特に、多くの先進諸国が「福祉国家」という国家形態をとる中で、それがどのように形作られ 、いかなる機能を持ち、我々が暮らすこの日本においてはそれがどんな姿をしているのか(して いたのか)を学ぶ。 また、近年、経済活動がグローバル化する中で「福祉国家」の在り方が揺らいでいることを学 んでいく。 本授業は、授業内容に関する自習用動画を閲覧し、終了後に授業内容を確認する小テストを行 う形ですすめる。授業内容は、動画及び授業内容をまとめたメモ等を公開して自習が可能なスタ イルとする。 到 達 目 標 各国における社会経済制度についての知識と、その背景にある経済学の思想・理論の習得を目指す。 具体的には、関係するテーマを扱った新聞・雑誌記事などを理解することが可能なようにする。 また、就職活動における時事問題、面接時の問題意識発表などに役立つ知識の習得を目指す。 授 業 計 画 第1回:「ガイダンス」 | 講義内容のガイダンス及び「政府の3機能」について学ぶ | 第2回:「公共財の理論」 | 公共財の性質と公共財の最適供給について学ぶ | 第3回:「公共財と私的財の間」 | サミュエルソン・ルールと公共財のバリエーション、公共財の歴史的側面 | 第4回:「所得の再分配をめぐる政治経済学」 | 功利主義、平等・公平・衡平、ロールズの正義論、社会的危機論 | 第5回:「再分配の手段としての租税政策」 | 租税の原理と機能、再分配を図る手段としてのジニ係数 | 第6回:「経済安定化のための手法と理論」 | 総需要管理としての45度線分析とIS=LM分析、景気対策としての金融政策 | 第7回:「経済安定化機能としての乗数効果」 | 乗数効果を理解するための等比数列と無限等比級数、乗数効果の解説 | 第8回:「古典派経済学者の政府支出論とその限界」 | 古典派経済学者による政府支出の捉え方、古典派経済学者の論理の限界 | 第9回:「新しい希望ケインズ経済学、そして古典派の逆襲」 | 大恐慌による経済学へのインパクト、戦後のスタグフレーションの理論的意味 | 第10回:「慈恵としての福祉から権利としての福祉国家へ」 | 19世紀までの貧困者対策、20世紀以降の権利としての福祉と経済成長 | 第11回:「福祉国家の多様性、レジーム論」 | 福祉国家レジーム論による分類化、日本の福祉支出の特徴 | 第12回:「保守主義と社民主義2つの福祉レジーム」 | 保守主義レジームのモデルとしてのドイツ、社民主義レジームのモデルとしてのスゥエーデン | 第13回:「残余的グループとしての自由主義及び家族主義レジーム」 | 自由主義レジームとしてのアメリカ、家族主義レジームとしての日本 | 第14回:「講義の振り返り(1)」 | 講義内容の全体像の確認とポイント | 第15回:「講義の振り返り(2)」 | 講義の理解に関する確認の実施 |
評 価 方 法 試験評価:50% その他:50% ・その他の内容: 小テストで各授業(第2回〜第13回)の内容について、4択問題を2問出題する(合計4点満点、 部分点なし)。 第14回、15回で振り返りを行い、この際行う小課題をそれぞれ1点として提出を課す。 ・試験の内容: 試験は期末にオンラインテスト(時間指定と時間制限あり、50点満点)を行う。 授業の方法 オンライン(オンデマンド) 『講義』『その他』(オンデマンド型の遠隔授業を行う) オフィスアワー M-Portクラスプロファイル内[授業Q&A]より質問してください。 教 科 書 高端正幸編著:『福祉財政(福祉+αシリーズ)』(ミネルヴァ書房) 参 考 書 神野直彦『財政学』有斐閣。 蓼沼宏一『幸せのための経済学』岩波ジュニア新書。 ナイアル・キシテイニー著、月沢李歌子訳『若い読者のための経済学史』すばる舎。 備 考 宿題等を通じて、事前事後学習を義務付ける。 |