特定非営利活動法人 大学コンソーシアム大阪 
The Consortium of Universities in Osaka

2025年度シラバス

募集終了

Web出願登録締切

3/24

出願票提出締切

3/26

科目番号

F25001

科目名

東洋史の見方

科目開設大学名

大阪公立大学

英文科目名

Introduction to the Asian History

配当学年

1年

単位数

2

募集定員

10名

年間日程

年間日程表PDF

連絡先

杉本キャンパス 教育推進課 基幹教育担当
TEL:06-6605-2935

担当教員

平田 茂樹

履修条件等

時間割

木曜日 10:45〜12:15 

開講期間

前期 

教室

811教室

キャンパス

杉本キャンパス

講 義 内 容

講 義 概 要

東洋史の見方に関する講義。日本のみならず、東洋世界全域に多きな影響を与えてきた中国の歴史展開を時系列で整理し、特にその前近代の文化・社会に対する理解を深めることに主眼を置く。講義では (1) 中国の神話・伝説、(2)初期中華王朝、(3) 統一帝国の形成、(4) 胡漢融合と貴族制、(5) 皇帝専制と庶民文化、等を取り上げ、各時代の文 化・社会を、政治・経済的特質とも関連づけながら理解してゆくこととする。          
具体的には、本授業は中国の都市史料(『東京夢華録』『夢粱録』など)、小説(宋代の洪邁『夷堅志』を主たる史料としながら、その他『西遊記』『水滸伝』『金瓶梅』『児女英雄伝』『三侠五義 』『儒林外史』『聊斎志異』など)、地図(「平江図」「臨安図」など)、絵画(「清明上河図」「南都繁會図」「姑蘇繁華図」「西園雅集図」など)を手掛かりに、前近代中国社会の「衣食住行」(衣・食・住・交通)生活がどのようなものだったかを学んでいく。

到 達 目 標

中国の古代から近世の歴史的展開と各時代の文化・社会を正しく知り、政治・経済と文化・社会がどう関連していたのかを理解した上で、最終的に中国文化が歴史的に周辺地域に及ぼした影響について整理し説明できるようになることを達成目標とする。具体的には、マクロ・ヒストリーやグローバル・ヒストリーと言った大きな見方、その一方で自分たちの生活に則した(衣食住行などの)テーマについて学習し、必要な情報を入手する仕組みについて知見を得つつ、学習したことを適切な説明をレポートや試験の考察において自分自身でできるようにする。

授 業 計 画

第1回イントロダクション 現代中国社会概観
第2回1.『夷堅志』『儒林外史』『児女英雄伝』を読む(科挙受験の学習)
第3回2.『夷堅志』『儒林外史』『児女英雄伝』を読む(科挙受験と占い)
第4回3.『夷堅志』『儒林外史』『児女英雄伝』を読む(科挙受験と婚姻)
第5回4.『夷堅志』『儒林外史』『児女英雄伝』を読む(官僚の出世の道)
第6回5.『東京夢華録』『夢粱録』『金瓶梅』を読む(飲食生活)
第7回閑話休題:「清明上河図」「平江図」「臨安図」「南都繁華図」「姑蘇繁華図」の世界(都市空間と衣食住行)
第8回中間総括
第9回6.『夷堅志』『金瓶梅』を読む(医療とまじない)
第10回7.『夷堅志』『聊斎志異』『閲微草堂筆記』(魑魅魍魎の世界)
第11回閑話休題:宋代文人画に見えるエリート階層の生活:「西園雅集図」「十八学士図」「文会図」「聴琴図」など
第12回8.『夷堅志』『西遊記』『入蜀記』『呉船録』を読む(旅行)
第13回9.『夷堅志』『水滸伝』『三侠五義 』を読む(江湖の世界)
第14回10.『夷堅志』『聊斎志異』『閲微草堂筆記』を読む(冥界の世界)
第15回最終総括

評 価 方 法

授業において課される小レポート(50パーセント)および試験(50パーセント)によって評価する。それぞれの講義で説明された概念や開示された論点について理解し、それがレポートや試験において主体的な考察に生かされている点をもって合格とする。

授業の方法

対面

対面・遠隔によるハイブリッド方式

教 科 書

特になし。

参 考 書

(参考文献)
平田茂樹『科挙と官僚制』山川出版社、1997年。
伊原弘・静永健編『南宋の隠れたベストセラー『夷堅志』の世界』勉誠出版、2015年。
伊原弘・小島毅編『知識人の諸相―中国宋代を基点として』勉誠出版、2001年。
伊原弘『『清明上河図』をよむ』勉誠出版、2004年。
J・ジェルネ著、栗本一男訳『中国近世の百万都市 : モンゴル襲来前夜の杭州』 平凡社、1990年。
羅信耀 著、藤井省三・宮尾正樹・坂井洋史・佐藤豊訳『北京風俗大全』平凡社、1988年。

備   考

○各回の事前・事後の学習内容
シラバスに示した参考文献を事前に読み、時代背景について確認する。授業後は、授業の内容を振り返る小レポートを課すので、そのレポートの作成を通じて、理解を深める。
○扱うのは中国史の事例ですが、都市社会や歴史一般に興味のある方の受講を歓迎します。

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