講 義 概 要 ①世界史をキリスト教とその遺産を通して概観する。 ②各時代を生きた人々とその遺産を通して、各時代の潮流を考察すると共に、 ③「キリスト教宣教が目指すものとは何か」について考察する。 到 達 目 標 ・主にヨーロッパの芸術(建築、美術、音楽)などを通して、歴史におけるキリスト教の遺産について理解を深める。 ・ヨーロッパのキリスト教とその教会について理解を深めることができる。 ・日本におけるキリスト教の宣教とその遺産を知る。 授 業 計 画 1 ■プロローグ:キリスト教の成立と新約聖書 | ①イスラエルの宗教と旧約聖書 | ②キリスト教の成立:イエスが生まれた世界 | ③イエス・キリストと使徒たち | | 2 ■【キリスト教の発展と中世】 | ①3~5世紀:東方と西方の教父たち、ゲルマン民族への布教 | ②5~15世紀:ビザンティン帝国(東ローマ帝国と東方) | ③10~12世紀:ローマ・カトリック教会とロマネスク様式→西ヨーロッパ、ローマ・カトリック教会の建築形式 | | 3 ■11~13世紀:【ヨーロッパ中世の文化】 | ①教皇と皇帝の対立 | ②十字軍戦争 | ③教皇権の動揺と異端問題 | | 4 ■12~16世紀:【ゴシック様式】 | ①ゴシック様式とは? | ②ゴシック様式建築物の特徴 | ③ゴシック様式の代表的な建築物 | | 5 ■15~16世紀:【ルネサンス:文芸復興】 | ①フィレンツェという都市 | ②メディチ家の人々 | ③パトロンと活躍した芸術家たち | ④ヨーロッパにおけるギリシア的な流れと、ヘブライ的な聖書的流れについて | | 6 ■16~17世紀:【バロック時代】 | ①バロック時代とバロック様式について | ②宗教改革者ルターとバロック音楽家バッハとのつながり | ③華麗なバロック美術と建築様式、バロック音楽について | | 7 ■18世紀:【ロココ時代】 | ①ロココ時代とロココ様式について | ②ロココ建築と美術、音楽 | ③フランス・ベルサイユ宮殿発信のヨーロッパ文化 | ④フランス革命とマリ・アントワネット | | 8 ■【カトリックの対抗宗教改革:16・17世紀】 | ①新教(プロテスタント)と旧教(カトリック)の南北アメリカ大陸宣教 | ②カトリック教会のアジア(フィリピン、インドネシア、マレーシアなど)宣教とその世界遺産について | ③イエズス会とアッシジのフランシスコ | | 9 ■【プロテスタント敬虔主義①】 | ①ドイツ:敬虔主義とは? | ②文学における古典主義、ゲーテについて | ③音楽:ベートベン、ショパンについて | | 10 ■【啓蒙主義とヨーロッパ社会 】 | ①啓蒙主義とは? | ②はやりのCoffee houseとTea room | ③フランスの啓蒙主義: | ・ヨーロッパに興ったサロンとサロン文化について | ・印象派とその画家たち | ④ドイツの啓蒙思想:カントとその思想について | | 11 ■【ヨーロッパ市民社会】 | ①フランス:ナポレオンの台頭 | ②イギリス:イギリス国教会と市民社会 | ③ドイツ:シュライエルマッハに代表される自由主義神学 | ④デンマーク:キルケゴールとその著書『死に至る病』について | | 12 ■【プロテスタント敬虔主義②】 | ◎イギリスの場合: | ①イギリス国教会(聖公会)とピューリタン | ②ジョン・ウェスレーの宣教とイギリス社会への影響→特に、陶器工場ウェジウッドとの関係を中心に | ③ウィリアム・モリスとその精神、日本における大正ロマン期の民芸運動とのつながりについて | | 13 ■【日本におけるキリスト教宣教❶】 | ①16世紀ヨーロッパ・カトリック教会の宣教 | ②高山右近 | ③千利休とキリスト教について | | 14 ■【日本におけるキリスト教宣教❷】 | ①明治・大正時代と日本のキリスト教 | ②宣教師ヴォーリズの生涯とその建築 | ③広岡浅子とその教育 | | 15 ■【日本におけるキリスト教宣教:明治期以降❸】 | ①内村鑑三と無教会 | ②賀川豊彦(COOP生協の父)の生涯と社会奉仕 |
評 価 方 法 〇学期末レポート 60% 〇平素の学習成果 40% プレゼン発表、毎回の「小テストとふりかえり」、参加意欲および貢献度 授業の方法 対面 対面授業 主に講義と学生による発表、討論の形式で行われる。 オフィスアワー 学生からの質問事項などはメールで対応する。 教 科 書 『キリスト教史:はじめの一歩』 大村修文 日本キリスト教団出版局 参 考 書 『鑑賞のための西洋美術史入門』早坂優子 視覚デザイン研究所 ISBN9784881081907 『ヨーロッパものしり紀行(神話・キリスト教編)』紅山雪夫 新潮文庫 『キリスト教の歴史』 小田垣雅也 講談社学術文庫 『図解 世界一わかりやすいキリスト教』 富増章成 中径出版 『いちばん親切な西洋美術史』 池上英洋(他 新星出版社 備 考 (準備学習) ①事前に毎回の講義内容に沿って、テキストを読んでおくこと。 ②世界史や日本史に関連する書物に触れ、各時代とその潮流、およびそこに生きた人々について事前学習しておく。 |