講 義 概 要 紀元前5〜4世紀頃にインドで誕生した仏教は、アジアを中心とした世界の広い地域に伝播し、現在に至るまで多様な展開を見せています。仏教が世界3大宗教の一つに数えられる所以です。我が国も飛鳥時代に仏教を本格的に導入し、その後、仏教は神道と並んで我が国の最もポピュラーな宗教の一つとなりました。ゆえに、我々が仏教を学ぶことは、世界を学ぶこと、そして、日本を学ぶことにつながります。 本講義――仏教学概論a――では、仏教発祥の地であるインドの仏教に焦点を当て、その思想と歴史を一通り学びます。特に、我が国に導入された大乗仏教と密教のインドでの展開に重点を置き、インド仏教と日本仏教の連続性を意識しつつ、インド仏教を学んでゆきます。 到 達 目 標 ①知識・技能の観点 ・インド仏教の思想と歴史の大まかな流れを把握する。 ・仏教全般に通底する基本的、根本的な世界観、考え方を理解する。 ・大乗仏教と密教の思想的特徴、および両者のインド仏教思想史における位置づけを理解する。 授業手法 / Teaching Methods ・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック 授 業 計 画 第1回 イントロダクション(講義の概要、到達目標、講義計画等の説明) | 第2回 インド仏教/インド仏教学とは何か | 第3回 ブッダの生涯 | 第4回 ブッダの人生観と世界観 | 第5回 ブッダの教え | 第6回 仏教教団の展開①(仏滅後から部派仏教の時代まで) | 第7回 仏教教団の展開②(部派仏教時代から大乗仏教の勃興まで) | 第8回 大乗仏教の世界①(般若経の世界) | 第9回 大乗仏教の世界②(『法華経』の世界―その1) | 第10回 大乗仏教の世界③(『法華経』の世界―その2) | 第11回 大乗仏教の諸問題 | 第12回 密教の発生と展開 | 第13回 密教の世界(『理趣経』の世界) | 第14回 密教の諸問題 | 第15回 まとめ | 授業時間外学習 / Expected work outside of class | 毎回の講義で配布されるハンドアウトの内容を十分に復習し、次回の講義に臨むこと。それにより、講義の流れをより良く理解することが可能となる。講義内容を復習する際、シラバスで指定している参考書を併せて活用することが有益であり、望ましい。 |
評 価 方 法 定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。 平常点(授業への取り組み)45%、平常試験(期末レポート)55%。 基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy ①知識・技能の観点 ・インド仏教の思想と歴史に関して、その大まかな流れを把握しているか。 ・仏教一般に通底する基礎的、根本的な世界観、考え方を理解しているか。 ・大乗仏教と密教の思想的特徴、および両者のインド仏教思想史における位置づけを理解しているか。
以上を成績評価の基準とする。 授業の方法 対面 オフィスアワー オフィスアワー オフィスアワーは火曜日の4時限目(14:40〜16:10)です。個人研究室にて対応します。 教 科 書 特に使用しない。毎回の講義では教員作成のハンドアウトを配布する。 参 考 書 竹村牧男 『インド仏教の歴史「覚り」と「空」』 講談社(講談社学術文庫) 奈良康明・下田正弘編 『新アジア仏教史01 インド I 仏教出現の背景』 佼成出版社 奈良康明・下田正弘編 『新アジア仏教史02 インド II 仏教の形成と展開』 佼成出版社 奈良康明・下田正弘編 『新アジア仏教史03 インド III 仏典からみた仏教世界』 佼成出版社 |