講 義 概 要 現在、イスラーム教徒は様々な歴史的経緯をたどって、世界の多くの地域に居住し、信仰を続けている。そうしたイスラーム教徒たちの歴史観、信仰や世界観、様々な慣習や文化的伝統を理解するため、本講義では、ムハンマド登場以前のアラビア半島の状況やイスラームと同じ神を信仰するユダヤ教、キリスト教の歴史や信仰などについて学び、またイスラーム登場以後の初期の歴史や教義、そして周辺諸文明との接触の結果生じた慣習や学問について解説する。 到 達 目 標 ①知識・技能の観点 現代世界で起こっているイスラーム教関連の出来事の歴史的背景についての知識を身につける。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点 講義で獲得した知識に基づき、論理的かつ説得的な文章によって、イスラーム世界の歴史を学ぶ意義を説明できる。
③主体的な態度の観点 講義以外の情報源にあたり、現代世界で生じているイスラーム関連の出来事について、独自の調査を行い、イスラーム史の理解を深めることができる。 授業手法 / Teaching Methods ・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック ・学生による学習のふりかえり 授 業 計 画 第1回 ガイダンスおよびアラビア語について | 第2回 一神教について | 第3回 ムハンマド以前のアラビア半島 | 第4回 初期史概観(ムハンマドの生涯) | 第5回 初期史概観(正統カリフ時代) | 第6回 イスラームの信仰箇条(六信前半) | 第7回 イスラームの信仰箇条(六信後半) | 第8回 イスラームの行為規範(五行、ジハード) | 第9回 分派について(スンナとハディース) | 第10回 分派について(シーア派、ハワーリジュ派) | 第11回 イスラーム法学(前半) | 第12回 イスラーム法学(後半) | 第13回 イスラーム哲学とスーフィズム(思想) | 第14回 外来の学問の導入 | 第15回 諸科学概要 | 授業時間外学習 / Expected work outside of class | 配布物や参考文献等、前もって指示された箇所について目を通すことが求められる。また宿題として課題レポートが課されることがあるので、これを遂行する必要がある。 |
評 価 方 法 定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。 平常点60%、定期試験40%で評価する。 平常点は、講義に出席し、各回最後に課される小課題を遂行することで得られる。また適宜宿題としてレポートを課すことがあるが、これの提出をもって出席および小課題を遂行したとすることもある。 定期試験は全15回の講義で提示した内容を分かりやすく説明する文章を作成することで得られる。記述式の問題が提示される。 基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy ①知識・技能の観点 現代世界で起こっているイスラーム教関連の出来事の歴史的背景についての知識が身についているか。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点 獲得した知識を、適切な配置と論理で構成された明確な文章によって説明できているか。
③主体的な態度の観点 各回の小課題における質問や疑問点の提示など講義への積極的な参加の姿勢を示しているか。 授業の方法 対面 オフィスアワー オフィスアワー 木曜日3時限、研究室にて対応する。
その他 研究室在室中は対応可能ですが、予約をしていただけると助かります。 連絡方法は、個人メールアドレスかLMSのメッセージ機能を利用してください。 教 科 書 教科書は指定せず、講義中の配布物等を基に講義を進める。 参 考 書 大塚和夫ほか 『岩波イスラーム辞典』 岩波書店 9784000802017 中村廣治郎 『イスラム教入門』 岩波書店 9784004305381 その他については講義中に適宜紹介する。 備 考 各回の小課題の解答例を示す。また質問やコメントのうちいくつかを選び出して、次の回の講義開始時に紹介し、これに授業担当者の応答コメントを加えることがある。 受講生の関心や講義の進行状況によって扱う内容や順番を変更する可能性がある。 |