キーワード 国連、女性差別撤廃条約、男女雇用機会均等法、ハラスメント、ワーク・ライフ・バランス、子ども、労働、家族、暴力 講 義 概 要 ジェンダー(gender)は、社会的・文化的に作られた性を意味し、生物学的な性(sex)とは異なり ます。また、ジェンダーは男性と女性のみならず、同性愛者、トランスジェンダー、性自認など 、多様な性的マイノリティーやイシューを含んでいます。 この科目では、国連女性差別撤廃条約と日本に与えた影響を中心に学ぶとともに、個別のトピ ックについて考えていきます。 授業で説明する際、参考文献とともに、インターネット、映像を利用し、日本と諸外国の比較 を分かりやすくします。 講義冒頭では、国内外のメディアのホームページを用いて、ジェンダーに関するニュースや社 会問題を解説します。受講生は、メディアを批判的に読み解く「メディア・リテラシー」を学ん でください。 到 達 目 標 ①国連女性差別撤廃条約が制定された経緯と日本に与えた影響を理解する。 ②身近に存在するジェンダーの問題や固定概念について考える。 ③メディア・リテラシーを身につける。 授 業 計 画 第1回:ジェンダーとは何か、ジェンダー・ギャップ指数と日本の順位 | 第2回:国際女性年(1975)と国連女性差別撤廃条約の採択(1979) | 第3回:男女雇用機会均等法の制定(1985) | 第4回:職場におけるセクシュアル・ハラスメント | 第5回:ワーク・ライフ・バランス、待機児童、小1の壁、ワンオペ育児、マミートラック、男性の育児休業 | 第6回:非正規雇用の増大、マタニティー・ハラスメント、世帯主、所得税の控除、年金 | 第7回:国連女性に対する暴力撤廃宣言(1993)と国連女性差別撤廃条約選択議定書(1999) | 第8回:ジェンダー・ギャップ指数、SDGs、国連ビジネスと人権 | 第9回:児童労働、児童買春、児童ポルノ、FGM、児童婚、女児と教育 | 第10回:婚姻、妻と嫁、事実婚、選択的夫婦別姓、相続、同性婚、性別と性自認 | 第11回:国際結婚、子の国籍、外国人配偶者、国際離婚、親権・監護権、子の連れ去り | 第12回:参政権、行政府の長、国家元首、候補者・議員・閣僚の男女比、クオータ制、パリテ | 第13回:痴漢、ドメスティック・バイオレンス、ストーカー、不同意性交、男性の性被害 | 第14回:リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、少子化と消滅可能性自治体 | 第15回:まとめ、期末試験 |
評 価 方 法 試験評価:100% レポート:0% その他:0% 計2回の試験のみで成績評価を行います。出席は成績評価に全く関係ありません。成績が振るわ なかった受講生のために、追加の試験やレポートを課すことは一切ありません。詳細は第1回授 業資料を読んでください。 授業の方法 対面 『講義』 オフィスアワー M-Portクラスプロファイル内[授業Q&A]より質問してください。 教 科 書 『なし』 参 考 書 山下泰子、矢澤澄子編著『男女平等はどこまで進んだか』(岩波ジュニア新書、2018)、佐藤文 香監修『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた』(明石書店、2019)、橋本健二『女性 の階級』(PHP新書、2024)、中野円佳『なぜ共働きも専業主婦もしんどいのか』(PHP新書、2 019)、『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書、2014)、濱口桂一郎『働く女子の運命』( 文春新書、2015)、周燕飛『貧困専業主婦』(新潮選書、2019)、治部れんげ『「男女格差後進 国」の衝撃:無意識のジェンダー・バイアスを克服する』(小学館新書、2020)、クラウディア ・ゴールディン(2023年ノーベル経済学賞受賞者)著、鹿田昌実訳『なぜ男女の賃金に格差があ るのか:女性の生き方の経済学』(慶応義塾大学出版会、2023)、浜田敬子『男性中心企業の終 焉』(文春新書、2022)、角田由紀子『性と法律:変わったこと、変えたいこと』(岩波新書、 2015)、齊藤梓『性暴力についてかんがえるために』(一藝社、2024)、海老原嗣生『少子化: 女“性”たちの言葉なき主張~』 (プレジデント社、2024)、天野馨南子『まちがいだらけの 少子化対策』(金融財政事情研究会 、2024) 備 考 毎回の授業で指示される参考文献や参考URLをもとに、事前および事後学習をしてください。 ジェンダー法学Bを履修する予定の人は、なるべくAから履修してください。学修効果が高まり ます。 |