講 義 概 要 環境を保全し再生するためには、問題を理解した上で適切な対策を講じる必要がある。このためには、環境の質を把握する指標を用いて定量的に計測することが重要である。さらにその原因汚濁物を除去する技術を用い、制御することが重要である。 本授業では、都市の生活に欠かすことのできない浄水および下排水処理を通じて水に関する制御技術を学び、環境技術分野における問題解決のための専門知識と技術を習得する。 ピア・インストラクション(学生同士の教えあい)による演習を毎授業で行うことにより理解を定着させ、より深く理解することで習得を目指す。 また、本授業は公害防止管理者(水質)資格の取得に対応した内容となっている。 到 達 目 標 水質の汚濁機構を理解し、水質の指標について説明できる。 指標の計測原理である酸化・還元反応について説明できる。 浄水および下排水処理の概念を理解し、これらについて説明ができる。 「水質や負荷量、処理施設の設計」または「公害防止管理者資格試験」に関する計算ができる。 授 業 計 画 第1回 ガイダンス 本授業の概要について国際単位系(SI)と濃度計算について | 第2回 水質の保全物理化学的な指標と計測1 水質保全の必要性についてpHと酸化数について | 第3回 物理化学的な指標と計測2 ORP、EC、水中含有物質について | 第4回 物理化学的な指標と計測3 COD、TP、TNについて | 第5回 生物学的な指標と計測 DO、BOD、大腸菌群数について | 第6回 環境基準と環境負荷 河川等の環境基準について原単位と汚濁負荷量について | 第7回 浄水に用いられる処理技術1 浄水処理の流れについて凝集沈殿法について | 第8回 浄水に用いられる処理技術2 浄水における吸着、ろ過、消毒について | 第9回 浄水に用いられる処理技術3理解度確認試験 沈殿池の設計について理解度確認試験を実施する | 第10回 下水に用いられる処理技術1 下排水処理の流れについて流量調整槽の設計について | 第11回 下水に用いられる処理技術2 微生物による下排水処理(活性汚泥法)について | 第12回 下水に用いられる処理技術3 汚泥負荷と容積負荷について生物反応槽の設計について | 第13回 下水に用いられる処理技術4 栄養塩(窒素・リン)の除去について最終沈殿槽の設計について | 第14回 汚泥に関する技術 水処理で発生する汚泥について水処理における資源の回収・再利用について | 第15回 環境を制御する技術 最新の水処理および水問題に関する総論 |
評 価 方 法 知識・理解 100%(内訳:理解度確認試験 40%、定期試験 60%)汎用的技能 0%態度・志向性 0%【「D」となる基準】定期試験を受けなかった場合。 授業の方法 対面 本科目は、テキストを用いて授業を行う。 課題および試験は、WebClassを活用し、実施する。本科目は、環境技術コースの必修科目である。公害防止管理者(水質)資格の取得に対応した発展的な授業内容となっている。 理解の定着やより深い理解のために「ピア・インストラクション(学生同士の教えあい)」による演習を導入する。 教 科 書 著者名:和田洋六 テキスト名:図解入門 よくわかる 最新水処理技術の基本と仕組み 発行所:秀和システム 発行年:2017年 定価:1,650円 参 考 書 著者名:和田洋六 書名:ポイント解説 水処理技術 発行所:東京電機大学出版局
著者名:濱崎竜英 書名:ひとりで学べる公害防止管理者試験(水質関係)テキスト&問題集 発行所:ナツメ社
著者名:津野洋、西田薫 書名:環境衛生工学 発行所:共立出版 備 考 ◇準備学習等(事前・事後学習)の具体的な内容とそれに必要な時間:テキストに沿った予習と復習を行うこと。基本的な計算や単位換算ができるように予習すること。 ◇課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法:毎授業で提出された演習等の課題は、採点結果を通知する。さらに、必要に応じて演習等課題の模範解答を掲示、または次回の授業時に説明する。 ◇併修、先行履修が 望ましい科目:水環境工学フィールドスタジオ演習2(水質)環境理工学演習1(上下水道) ◇成績評価「*」(成績評価に至らない)の基準:1度も授業に出席していない、かつ成績評価物を1度も提出していない、かつ一度も試験・テストを受験していない場合。 |