特定非営利活動法人 大学コンソーシアム大阪 
The Consortium of Universities in Osaka

2025年度シラバス

募集終了

Web出願登録締切

3/24

出願票提出締切

3/26

科目番号

H25051

科目名

倫理学概論a

科目開設大学名

関西大学

英文科目名

Introduction to Ethics A

配当学年

1~4年次

単位数

2

募集定員

20名

年間日程

年間日程表PDF

連絡先

学事局 教務事務グループ
TEL:06-6368-0127

担当教員

品川 哲彦

履修条件等

時間割

金曜日 10:40〜12:10 

開講期間

春学期 

教室

キャンパス

千里山キャンパス

講 義 内 容

講 義 概 要

倫理学(道徳哲学)と聞くと、倫理(道徳)を説くお説教だと思う人がいるかもしれない。それは誤解である。哲学とは、ふだんあたりまえと思われていることがらを根底から考えなおす営みである。したがって、倫理学とは倫理(道徳)についての哲学、つまり、社会生活のなかで自明ものとうけとられがちな倫理(道徳)を考えなおし、ついには、なぜ、倫理(道徳)的であるべきかと問いなおす学にほかならない。
 倫理学概論aでは、倫理学に関する一般的な説明をし、そののち、主として近代に展開された理論を参照しつつ、倫理学説のうち、基本的かつ重要なものを紹介する。

到 達 目 標

①知識・技能の観点 この授業の到達目標は、なによりも各倫理学説の内容の的確な理解であり、それをとおして倫理的問題を考察する能力の習得にある。
②思考力・判断力・表現力の能力の観点 倫理学は道徳哲学とも称し、哲学の一部門をなす。哲学とは、あたりまえと思われていることがらを根本から考え直す営みであって、子の哲学的思考力、諸思想の相違を見極める判断力、学んだ概念を的確に使える表現力の涵養をめざす。
③主体的な態度の観点 道徳(倫理)とは社会の構成員が共有する生活のルールだが、道徳哲学(倫理学)とはその道徳(倫理)を根本から考え直す営みである。それを学ぶことをとおして主体的に考え、生きる態度を身につける。
授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授 業 計 画

I 倫理学とはどのような学問か
§1 ガイダンス:授業の進め方。成績評価の方法。過去年度の成績評価、等の説明。
§2 倫理(道徳)と倫理学(道徳哲学)の違い。規範倫理学、記述倫理学、メタ倫理学。
§3 倫理の好きなひと/嫌いなひと、倫理学の好きなひと/嫌いなひと
II なぜ、倫理(道徳)を守るべきか
§4-§6 自己利益のためか(プラトン、ホッブズ)
§7     補説: 世界観の変遷と倫理観の変遷
§8 他者への共感からか(ヒューム)
§9-§11 義務は義務ゆえに守るべきか(カント)
§12-§14 社会全体の幸福のためか(ベンタム、J.S.ミル、ヘア)
§15 まとめと試験
授業時間外学習 / Expected work outside of class
 予習: 教科書の次週にやるところを読んでおくこと。
 復習: インターネットを利用した小テスト(Web Class)を利用して、毎回、前週の授業内容についての小テストを行います。設問の形式は、選択式で5問が通例ですが教科書やノートをみれば分かる程度の単語や語句で答える記述式の設問もあります。解答のための時間的余裕は、原則として、授業日の夜(ないし授業日の翌日)から次の授業日の前日(ないし当日)までです。Web Classは、ネットにつながっているパソコンがあれば自宅からも受験できますし、自宅のパソコン環境がそのようでなければ、学内のITセンターなどから受験できます。

評 価 方 法

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
 インターネット(Web Class)による小テスト(60%)、最終授業日に行う筆記試験(40%)
基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
 講義概要に記したこの授業の到達目標①②のうち、①については、インターネットによる小テストによってその知識の正確さに応じて、②については、筆記試験によって問題の説明能力と論理的思考力によって到達度を査定する。

授業の方法

対面

オフィスアワー

オフィスアワー メールで(アドレスは下記)事前のアポイントメントを望む。

その他 tsina[at]kansai-u.ac.jp

教 科 書

品川哲彦   倫理学の話   ナカニシヤ出版  

参 考 書

リチャード・ノーマン   『道徳の哲学者たち 第2版』   ナカニシヤ出版   授業で扱う思想の多くをカヴァーし、哲学倫理学を専攻する学生に適。
宇都宮芳明・熊野純彦編   『倫理学を学ぶ人のために』  世界思想社   主題別に議論を紹介。
ジェームズ・レイチェルズ   『現実をみつめる道徳哲学』   晃洋書房   現代のトピックを切り口として代表的な倫理思想を紹介。
ロバート・M・ヴィーチ    『生命倫理学の基礎』    メディカ出版     生命倫理学の問題を切り口に代表的な倫理思想を紹介。
有福孝岳・訓覇曄雄(編)   『倫理学とは何か』  勁草書房   日本人の著者による通史的説明
担当者のホームページ(http://www2.itc.kansai-u.ac.jp/~tsina/)の倫理学の説明も参照されたい。

備   考

哲学・倫理学を学ぶ学生、公民・地歴・社会科をはじめとする教職免許を取得したい学生に対して、倫理学の基本的知識が確実に身につく内容の授業をすることを約束しますが、授業中に私語をしたり、他の授業の準備をしたりするような注意散漫な学生、欠席がちな学生はもちろん、たんに単位だけがほしいような学生は履修しない方が賢明です。
 1年生でも履修できますが、専門科目ですから2年生になってから履修するのでも十分です。

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