講 義 概 要 都市と住宅の歴史、とくに東アジアの最東に位置する日本における独自のあり方について学ぶ。 住宅は都市に固有の存在ではむろんない。しかし都市の住宅は特有である。したがってテーマは、都市および都市の住宅、そして在地の住宅である。 第一に、前近代における都市の成立、形成、展開、そして近代以降の都市のあり方。第二に、都市の住宅の成立と展開。第三に、在地の住宅の地域性、階層性、文化性について学ぶ。さらに現代あるいは未来の都市、住宅との連続性・不連続性についても展望する。 「日本建築史」(2回生)で取り上げた寺社の建築に対して、本講義では住宅や都市について深く学ぶ。両者あわせて日本における建築の歴史と文化について、その基礎的な概要の全体像を把握することになる。 到 達 目 標 古代における都城の成立、宮殿や公家の住宅、町屋の成立と展開、中世では都城から都市への転回、室町将軍御所にみられる中世的な空間の胚胎と成長、近世では地方都市の成立や封建領主の住まいなど、各時代の基礎的知識の習得と変遷の把握が学習上の課題である。 授業手法 / Teaching Methods ・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック ・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む) ・フィールドワーク 授 業 計 画 要点をパワーポイントによって提示し、あわせて関連する写真を映写しつつ詳述する。 | なお同一テーマについて複数週をあてること、あるいは順序を適宜入れ替えることがある。 | 随時実施する演習(小テスト)やレポートによって、理解の確認と定着をはかる。 | 1,オリエンテーション、全体の概説 | 2,日本古代の都城 | 3,古代平安京の空間構造 | 4,平安京の都市化と都市貴族の住まい | 5,寝殿造の本質 | 6,平安貴族の住まいの変容 | 7,寝殿造から読み解く住宅史の原理 | 8,中世の住宅 | 9,書院造の成立 | 10,数寄屋と茶室 | 11,近世民家の成立 | 12, 文化財保存活用からみた都市と住宅 | 13,まとめ 都市と住宅の歴史 到達度の確認試験 | 授業時間外学習 / Expected work outside of class | 日本史(とくに文化史)に関する高校卒業レベルの知識が必要です。 | 授業前日までには、当日の授業内容のpdfを関大LMSに公開するので、これをダウンロードして事前に一読しておいてください。 | また、この授業の学習内容をもとに、現地に積極的に出向いて実見し、体感することが望ましいです。 |
評 価 方 法 定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。 平常成績とは、講義時に行う演習(小テスト)とレポート課題、加えて受講態度などを指す。 評価に占める筆記による学力確認試験の割合:50%、平常成績の割合:50% ただし、出席率(≑演習の提出率)が6割に満たない者には、レポート課題や到達度の確認(筆記による学力確認)の採点はしない。履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。 成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。 基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy 本講義の学習内容を正しく理解しているかどうかを評価の基準とする。 授業の方法 対面 オフィスアワー オフィスアワー 授業終了時および、藤田教員室の在室中に受け付けます。 何か連絡したい場合は、関大LMSではなく、下記メールアドレス宛に直接、連絡してください。 fujitama★kansai-u.ac.jp 「★」は「@」に置き換える。 教 科 書 藤田勝也著 『平安貴族の住まい―寝殿造から読み直す日本住宅史―』 吉川弘文館 978-4-642-05920-6 参 考 書 西山良平・鈴木久男・藤田勝也編 『平安京の地域形成』 (京都大学学術出版会) 西山良平・藤田勝也編 『平安京と貴族の住まい』 (京都大学学術出版会) 西山良平・藤田勝也編 『平安京の住まい』 (京都大学学術出版会) 藤田勝也ほか編 『日本建築史』 (昭和堂) 日本建築学会編 『日本建築史図集 新訂版(もしくは新訂第二版)』 (彰国社) 教科書とともに、「授業時間外学習」でも記したように、随時掲示するpdfを参照すること。その他、関連する図書については授業時に適宜紹介します。 |