講 義 概 要 【概要】 多様な家族について、心理学的見地から多角的に見ていく。 【目的】 家族を理解する素養を備えるようになり、また問題を抱える家族を判別する能力を修得できるようになる。 到 達 目 標 「知識・技能」 (1)自分自身が所属する家族について理解する。 (2)家族関係を円滑に維持するための方法や技法を修得する。 「思考力・判断力・表現力」 (1)離婚や扶養等は特別な家族や夫婦だけの問題ではないことを正しく理解する。 (2)児童虐待等、家族を取り巻く暴力行為を見極める素養を形成するとともに、対応策を考える。 「主体性・多様性・協働性」 (1)あるべき家族像や家族のあるべき姿を説明し、自らもその構築を目指す。 (2)わが国の家族関する諸問題について、どのように対応すべきかを考えていく。 授 業 計 画 1 | 家族の定義、わが国の家族観の変遷、更には現代社会が抱える家族に関する諸問題について考えていく。 | 2 | 臨床心理学の見地から、心理治療とは何か。また、個人療法と家族療法の差異とその特徴について知る。 | 3 | 家族関係をジェノグラムを用いて図式化し、関係性を知る。 | 4 | 家族システム理論の基礎的理解と科学性に基づいた家族の把握の仕方を知る。 | 5 | 家族システム理論から見ていく問題家族とは何かを知る。 | 6 | 家族内のサブシステム(夫婦・親子・きょうだい関係)について知る。 | 7 | 夫婦間における病理学的問題を考える。 | 8 | 家族アセスメント①〜二者関係を中心に、家族関係の査定方法とその具体的な施行を理解する。 | 9 | 家族アセスメント②〜家族システム理論に基づいた3者以上の関係性把握についての心理査定方法を知る。 | 10 | 家族療法の基本的な考え方とその理論背景について知る。 | 11 | 家族療法の基本的技法とその具体的な実施方法について、実践演習を交えて理解する。 | 12 | 「家族を巡る暴力」について、子どもから親への暴力をはじめとし、わが国の歴史と動向を理解する。 | 13 | 家族を巡る暴力①〜児童虐待について、加害者または被害者それぞれの立場から見ていく。 | 14 | 家族を巡る暴力②〜表面化しにくい高齢者虐待について知る。 | 15 | 家族を巡る暴力③〜ドメスティック・バイオレンスとストーカーについて知る。 |
評 価 方 法 〔基準〕 ①家族システム理論の基礎を理解し、②家族を巡る諸問題への気づきと理解が出来れば合格 〔方法〕 定期試験(65%)、講義期間中に課すレポート課題(20%)、 原則的に毎回課す課題(小テストを含む)(15%) 授業の方法 対面 講義 教 科 書 教科書名 読んでわかる家族心理学 著者名 相谷登、中村薫、築地典絵 出版社 サイエンス社 金額 2,300円+税金 参 考 書 「よくわかる家族心理学」 (編)柏木惠子 ミネルヴァ書房 備 考 留意点 講義中の私語厳禁は言うまでもないが、積極的な授業への参加を是非ともしていただきたい。 準備学習 各回の授業前には、教科書の充当する部分を必ず熟読し各自でまとめておくこと(約2時間)。 各回の授業終了後には、新たに得た知識を整理し、その後にマナバの「アンケート欄」に掲載する課題(小テストを含む。)に取り組むこと(約2時間)。 備考 毎回の課題の回答については、次週の授業冒頭で簡単に説明を行う。 レポート課題について返却を望む学生には、一定期間終了後に返却を行う。 定期試験の結果について、試験実施2週間後から知りたい学生には素点のみを伝える。 講義担当者は、1年半の児童相談所での勤務、更には14年間の家庭裁判所等の司法機関での勤務歴があり、実践に即した授業を展開する。
【重要】新型コロナウィルス感染症や自然災害等の社会的な影響を受けて、やむを得ない理由により当初の授業計画から変更が生じる場合があります。 |