講 義 概 要 ・全国的にみて大学生活を通じて学生による犯罪現象が散見される。 ・たとえば、保護責任者遺棄致死事案(サークル仲間の酩酊学生放置)、あるいは、未成年者誘拐や児童福祉法違反(SNS上での出会い)、職業安定法違反(バイトでの風俗あっせん)、ストーカー行為規制法違反、偽造と詐欺(定期券改ざん・闇バイトを通じた各種犯罪への関与)、偽計業務妨害(カンニング・飲食店備品に対する悪戯・バズリを狙う悪質動画作成)の事案など枚挙にいとまがない。 ・これらの犯罪は、おそらく大学生当人は犯罪だと思って実行したものでないであろう。しかし、こうした犯罪知識を身につけておかなければ知らぬ間に被疑者・被告人とされ、実名報道により学生本人の将来の芽を摘み取ることになりかねない。 ・他方、これらの犯罪の被害者になりかねない学生も相当数いるであろう。犯罪被害者になったとき、迅速な対処法が被害を軽減するが、こうした知識を身につける機会が全学生にあまりない。 本講座では、「転ばぬ先の杖」として学生時代に身につけておくべき犯罪とその被害対処法を提供し、全学生に安全な学生生活と社会人となった後も有用な刑事法教育を提供することを目的とする。 到 達 目 標 この授業を通じて学生には、 ・刑法の謙抑性、罪刑法定主義、犯罪の成立要件および刑罰制度について説明できる ・薬物犯罪をはじめとする学生にとくに身近な犯罪現象の内容について説明できる ・犯罪被害者となった場合の対処方法について説明できる ようになることが期待される。 授 業 計 画 第1回 ガイダンス 刑法とは何か | 第2回 刑法の基礎 | 第3回 刑法の解釈 | 第4回 犯罪の基本概念 | 第5回 性犯罪 | 第6回 カンニング行為と偽計業務妨害 | 第7回 飲み会と保護責任者遺棄罪 | 第8回 定期券の偽造と詐欺罪 | 第9回 ストーカー行為規制法 | 第10回 DVとデートDV | 第11回 薬物犯罪 | 第12回 未成年者を被害者とする犯罪 | 第13回 犯罪被害者救済① | 第14回 犯罪被害者救済② | 第15回 まとめ |
評 価 方 法 形成的評価を行うため、各回講義後に、Microsoft社teamsを通じてMicrosoft formsから課題を配信する。各回の課題の得点を合算して評価対象とする(講義の理解度5%+課題の得点95%)。定期試験は実施しない。 授業の方法 対面 ・講義形式で行う(社会情勢上、その変更が必要な場合は遅滞なく連絡する)。 ・本講義は、ICTツールとしてMicrosoft社のteamsを用いる。 ・課題提示や資料配布などはMicrosoft社teamsを通じて行う。 ・教員からの一方通行的な講義にならないよう、学生との質疑応答を交えつつ、教員と受講者による双方向理解につとめたい。 ・近時、刑事法の改正が相次いでいるので、最新の六法(有斐閣『ポケット六法』や『判例六法』、または、三省堂『デイリー六法』もしくは『模範小六法』の最新版がのぞましい)を必ず持参すること。 教 科 書 「入門刑事法(第9版)」(三井誠)(有斐閣)ISBN:9784641139718 参 考 書 開講時に各種判例・補助教材を紹介する 備 考 本講義は、オンデマンド動画配信による授業を数回程度行うことがあります。 オンデマンド動画配信による授業の際には、事前にteamsの授業チャネルで告知するとともに、teamsアプリより通知をします。 |