キーワード ひとは誰もが子ども期を体験する。おとなにとって子ども期とは、自分を見つめるレンズであり、子どもを理解する通路である。こども学Ⅰでは、自分のなかの「こども」を見つめることと、今を生きる「子ども」を見つめることを目的とする。さらに、学生が自らの子ども期を手がかりに、保育・教育・援助職に求められる自己理解と他者理解への感性を磨くこと。自己理解と他者理解の重要性に気づき、それらを結びつけることが、この授業のねらいである。 こども学において、自己理解と他者理解を結ぶのは、自他の「いのち」への関心に他ならない。人びとのかけがえのない「いのち」を見つめ、それを守り・育くみ・支える発想から出発するのが、こども学の姿勢であり、この授業ではそれを伝え、学びあう。 講 義 概 要 講義内容は次のような柱を設定する。 Ⅰ. ひとの「いのち」について考える Ⅱ. 子ども期を見つめ、子ども存在を捉えなおす Ⅲ. 現代の子どもが生きる現実を知る Ⅳ.自己理解と他者理解(子ども理解)をつなげる これらの柱をもとに、聴いて考えること、話し合って考えること、それら通じて得られたことを書き綴ることに取り組んでいく。 なお、本講義では、自己に内在する「こども」を探究させることを通して、教育者として不可欠な資質について小学校教職経験のある教員が講義する。 到 達 目 標 授業修了時における到達目標は次のように設定する。 1. 自分のなかの「こども」を見つめ、発達援助専門職の卵として、自分の将来像を描こうとしていること。 2. おとなとしての生き方を考え、自己理解と子ども理解を同時に深める大切さを学習の中でつかんでいること。 3. 自分とは異なる他者の人格、生き方、生活、人生、生命、それらのもとにある「いのち」について関心を寄せること。 授 業 計 画 | 第1回 オリエンテーション -自分のなかの「こども」を見つめること- | | 第2回 ひとの「いのち」について考える(1) 他者の生活、人生、生命への視線 | | 第3回 ひとの「いのち」について考える(2) いのち輝く保育・教育の必要性 | | 第4回 子ども期を見つめ、子ども存在をとらえなおす(1) 自他を理解する手がかりとしての子ども期 | | 第5回 子ども期を見つめ、子ども存在をとらえなおす(2) 自分のなかの「こども」、自分が出会う「子ども」 | | 第6回 子どもの生きる現実を知る(1) 子ども期と貧困 | | 第7回 子どもの生きる現実を知る(2) 子どもと負の感情体験 | | 第8回 子どもの生きる現実を知る(3) 子どもから出発する保育・教育実践 | | 第9回 中間総括 | | 第10回 自己理解と他者理解(子ども理解)をつなげる(1) 子ども理解の先人に学ぶ | | 第11回 自己理解と他者理解(子ども理解)をつなげる(2) 心のなかに子どもを住まわせる | | 第12回 自己理解と他者理解(子ども理解)をつなげる(3) 子どもへの親愛、他者愛とは | | 第13回 自己理解と他者理解(子ども理解)をつなげる(4) 子どもの声を「聴く」ということ | | 第14回 自己理解と他者理解(子ども理解)をつなげる(5) いのちを見つめる人になる | | 第15回 全体総括 |
評 価 方 法 講義内課題60%、期末レポート提出40%、これらをもとに総合評価する。出欠状況は、評価を受けるための基礎的な要件である。なお、正当な理由のない欠席は減点対象とする。 授業の方法 対面 教 科 書 講義の中で適宜資料を配布する。 参 考 書 講義の中で適宜紹介する。 |