医療情報学は医療にかかわる情報を対象とし、それら医療情報を有効に活用する方法と技術を研究する領域である。電子カルテに診療情報や薬剤情報などを蓄積し、これらを管理および活用することが医療の現場では必須となっている。本講義では、医療情報を管理する上でのコンピュータ技術やシステムの構成を学ぶ。また、医学研究における統計解析手法についても概説する。
| 第1回 医療情報学とは |
| コンピュータ技術を基盤とした情報科学や情報通信技術を、医療分野の情報とその処理に適応して取り扱う学問を「医療情報学」と呼ぶ。明確な定義として固まっていないが、医療情報学とは「診療・医学研究・医学教育・医療行政等、医学のすべての分野で扱われるデータ・情報・知識をその医学領域の目的に最も効果的に利用する方法を研究する科学」とされる。本講義では、15回の講義を概説し、医療情報学に必要な基礎的知識を学ぶ。 |
| 予習内容:医療情報学とは何か予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、医療情報学に必要な基礎的知識について復習する(30分) |
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| 第2回 コンピュータの基礎 |
| 医療情報の理解に必要なコンピュータの基礎を学ぶ。コンピュータの種類や情報単位、文字コード等について説明する。 |
| 予習内容:コンピュータの基礎について予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、医療情報学に必要なコンピュータの基礎的知識について復習する(30分) |
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| 第3回 ハードウェアとソフトウェア |
| コンピュータのハードウェアとソフトウェアについて概説する。ハードウェアにおける情報処理の仕組みや一般的なソフトウェアについて解説する。 |
| 予習内容:ハードウェアとソフトウェアについて予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、医療情報学に必要なハードウェアとソフトウェアの基礎的知識について復習する(30分) |
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| 第4回 ネットワークの基礎 |
| インターネットやLANなど情報通信におけるネットワークの基礎を学習する。ネットワーク機器や通信プロトコール、クラウドコンピューティングについて解説する。 |
| 予習内容:インターネットやLANなどのネットワークについて予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、医療情報学に必要なインターネットやLANなどのネットワークの基礎的知識について復習する(30分) |
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| 第5回 データベース |
| データベースの種類、特徴、データベース言語、データベースの基本的な構造を学ぶ。データベース・システムの基本的モデルである関係データベースを中心に解説する。 |
| 予習内容:医療情報学におけるデータベース利用について予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、医療情報学で用いられるデータベース、特に関係データベースについて復習する(30分) |
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| 第6回 情報セキュリティ |
| 医療情報セキュリティにおける脅威、コンピュータウイルス、情報セキュリティ対策等を学習する。個人情報保護におけるシステムのリスクと安全管理について説明する。 |
| 予習内容:医療情報セキュリティについて予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、個人情報保護における医療情報セキュリティの概要について復習する(30分) |
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| 第7回 医学・医療総論(1) |
| 医療情報学を学ぶために必要な最低限の医学・医療の基礎を解説する。 |
| 予習内容:医学・医療の基本について予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、医療情報の特性や診療録に関連する法規について復習する(30分) |
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| 第8回 医学・医療総論(2) |
| 前回に引き続き、医療情報学を学ぶために必要な医学・医療の基礎を解説する。 |
| 予習内容:医学・医療の基本について予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、オーダエントリシステムと電子カルテシステムについて復習する(30分) |
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| 第9回 医療情報の特性 |
| 医療情報の代表的なものとしてカルテ(診療録)があるが、その表現形式や特徴、取り扱いについて学び、医療情報の特性を理解する。また、診療録に関する関連法規や医療情報開示に関する法規についても理解を深める。 |
| 予習内容:医療情報の特性について予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、部門システムおよび病院情報システムについて復習する(30分) |
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| 第10回 医療情報システム(1) |
| 病院内の情報システムで根幹をなすオーダエントリシステムと電子カルテシステムについて解説する。これらのワークフローおよびシステム管理についても理解を深める。 |
| 予習内容:医療情報システムについて予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、医学統計学を理解する上での基礎知識について復習する(30分) |
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| 第11回 医療情報システム(2) |
| 医療現場では運用上、それぞれの院内部門の業務を支援する部門システムが存在し、さらにそれらを連携する病院全体を支援する病院情報システムがある。部門システムの役割や部門と部門を繋ぐシステムについて説明する。 |
| 予習内容:医療情報システムについて予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、確率、正規分布、統計的推定について復習する(30分) |
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| 第12回 医療情報システム(3) |
| 前回から引き続き、部門システムおよびそれをつなぐシステムを学ぶ。さらに、これらの連携のための医療情報の標準化について解説する。 |
| 予習内容:医療情報システムについて予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、検定方法(t検定、F検定、χ二乗検定など)について復習する(30分) |
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| 第13回 最新の医療情報技術と情報サービス |
| 情報技術の発展は日進月歩であり、AI・ビッグデータ・IoT技術、VR・ARなど様々なものが医療現場にも浸透してきている。実例を挙げながら、これらの最新技術を解説する。 |
| 予習内容:最新の医療情報技術と情報サービスについて予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、AI・ビッグデータ・IoT技術、VR・ARなどについて復習する(30分) |
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| 第14回 ゲノム・オミクス情報の収集と利活用 |
| 医療情報としてゲノムおよびオミクスデータが収集され、情報の一部として取り込まれ始めている。実際に国内外でどのような取り組みが行われているか解説する。 |
| 予習内容:医療におけるゲノム・オミクス情報について予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、医療情報としてゲノムおよびオミクスデータの収集および利活用について復習する(30分) |
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| 第15回 ゲノム医療・精密医療 |
| ゲノム医療・精密医療とは、ゲノム情報と症状や検査値などをもとに患者を層別化し、各層の患者に合わせた治療を行うものである。ゲノム医療・精密医療の実現に向けて、どのような取り組みが行われているか解説する。 |
| 予習内容:ゲノム医療・精密医療について予習する(30分) |
| 復習内容:配布資料を読み返し、ゲノム医療・精密医療の実現に向けて実施されている施策について復習する(30分) |
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| 定期試験 |
| 15回の授業内容の理解度を確認する。 |