特定非営利活動法人 大学コンソーシアム大阪 
The Consortium of Universities in Osaka

2025年度シラバス

募集終了

Web出願登録締切

3/24

出願票提出締切

3/26

科目番号

K25009

科目名

近現代文学史

科目開設大学名

大阪樟蔭女子大学

英文科目名

History of Modern Japanese Literature

配当学年

2年

単位数

2

募集定員

5名

年間日程

年間日程表PDF

連絡先

修学支援課
TEL:06-6723-8269

担当教員

黒田 大河

履修条件等

女子に限る

時間割

月曜日 13:00〜14:30 

開講期間

後期 

教室

G401

ファイル更新日:2025/03/06 14:04:06

キャンパス

講 義 内 容

講 義 概 要

近代における日本語表現の変遷を、日本近代文学の諸作品を通して学びます。西洋近代小説とは異なった原理で創作され受容されてきた「私小説」を中心に、その限界を批判的に乗り越えようとしたさまざまな表現方法の展開に着目します。近代文学が成立した歴史的社会的状況にもふれながら、20世紀初頭から現代に至る表現史を明らかにしていきます。
 様々な文体と発想になれることで、近代文学研究の基本的な方法を身につけ、教材研究の基礎となる本文解釈の力を養います。本講義を通して、文学作品を読み解く力と、文学史について考察する力を身につけてほしいと思います。

到 達 目 標

近現代文学史を学ぶことを通して、次の四つの目標達成をめざします。
①日本近代文学の文体・発想を客観的に分析できる読解力を持つことができる。
②日本近代文学史の流れを知り、作品の位置づけを考察する力を持つことができる。
③研究対象に接するための学問的な方法論を知り、活用する能力を持つことができる。
④以上の力を身につけ、自らの考えを他者に伝えることが出来ることができる。

授 業 計 画

1:オリエンテーション
  (1)文学表現と自己表現について
  (2)近代文学における語り手の成立について
2:「私小説」表現の成立
  (1)島崎藤村「破戒」と田山花袋「蒲団」
  (2)破滅型私小説と調和型心境小説について
3:文学理論から「私小説」を読む
  (1)ジェラール・ジュネット『物語のディスクール』
  (2)キルシュネライト『私小説ー自己暴露の儀式』
4:志賀直哉「和解」および関連作品の分析
  (1)「范の犯罪」における葛藤と調和
  (2)「和解」における葛藤と調和
5:「私小説」表現の展開
  (1)「和解」における自己言及性について
  (2)牧野信一「父を売る子」三部作について
6:アンドレ・ジイドの影響圏と「私小説」
  (1)「贋金つくり」と「純粋小説」概念
  (2)メタフィクションとしての「純粋小説」
7:永井荷風「濹東綺譚」および関連作品の分析
  (1)「私小説」的作品として
  (2)「純粋小説」的作品として
8:横光利一「機械」および関連作品の分析
  (1)小林秀雄の「機械」評から
  (2)一人称小説としての「機械」について
9:太宰治「道化の華」および関連作品の分析
  (1)太宰治における「自画像」の問題
  (2)「道化の華」のメタフィクション性について
10:中島敦「南島譚」と植民地主義について
  (1)中島敦「山月記」と私小説
  (2)中島敦の南洋体験と「南島譚」
11:近代文学史における戦中・戦後の問題
  (1)日中戦時下の小説表現について
  (2)戦後文学への展開
12:安部公房「箱男」および関連作品の分析
  (1)安部公房の「満洲」体験
  (2)砂漠から都市へ
13:大江健三郎作品における「異化」について
  (1)核状況下の文学と「私小説」的作品について
  (2)「私小説」と異化された「私」について
14:大江健三郎から村上春樹へ
  (1)デタッチメントからコミットメントへ
  (2)村上春樹作品の「僕」について
15:まとめ
  (1)近代文学史の展開と「私小説」について
  (2)現代の自己表現と「私小説」について

評 価 方 法

①講義内で実施する課題への取り組み 70%
②講義内で実施するレポートの評価  30%

授業の方法

ハイブリッド(対面とオンライン)

◆授業の形態 対面授業を基本とします。

◆使用するICTツール
manaba、Teams、Zoom、YouTube

教 科 書

テキストは指定していませんが、講義内で扱う作品について文庫本などで入手しやすいもののリストを配布します。
講義を受けながら、興味を広げ、読書に親しむことを求めます。
最終課題には作品の読解が必須事項です。

学生へのメッセージ

更新日2025/2/21 14:15
●準備学習:
講義の対象となる文学作品に目を通し、自分なりの解釈を持つこと。
●課題に対するフィードバック方法:
講義内のミニレポートについては、次回講義時間冒頭にてコメントします。
単位認定レポートの評価に関しては、成績評価を以て代えます。
また、ポータルサイトでの課題提示・提出も活用します。
●学生への要望:
対象作品を積極的に読んで、最終課題に取り組んでください。
●担当者への連絡方法:
Gmail または manabaのコメント機能を利用します。

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