第1回:導入学習目標,評価の枠組み等を理解する。現代社会で「社会問題」とみなされる問題について整理する。 |
第2回:「社会問題」観の変遷① 貧困観の歴史的変遷について理解する。「宿命」と「社会契約」いう発想を用いて共同体としての貧困から階層としての貧困へと変わっていくことを理解する。 |
第3回:「社会問題」観の変遷② 貧困観の歴史的変遷について理解する。「イギリス救貧法」「改正救貧法」を用いて国家が貧困問題へ介入する理由について理解する。 |
第4回:「社会問題」観の変遷③ 貧困観の歴史的変遷について理解する。「劣等処遇の原則」と「ブースの社会調査」を用いて怠惰から雇用条件へ貧困の要因が変わることを理解する。 |
第5回:「社会問題」観の変遷④ 社会解体論の概要を貧困問題を例にして批判的に検討し,理解する。逸脱行動論の概要を貧困問題・不登校問題を例にして批判的に検討し,理解する。 |
第6回:「社会問題」観の変遷⑤ マルクス主義社会学の概要を貧困問題を例にして批判的に検討し,理解する。 |
第7回:貧困の個人化と隠蔽 貧困は孤立を伴うことで,個人化していく。そしてその責が個人に帰結する。さらに下層に落ちていき,組織・定住・家族を状態とする社会の中で隠蔽されていく。ここではその過程を理解する。 |
第8回:貧困の忘却と犯罪化 わが国の高度経済成長期に「総中流社会」という認識が生まれ,貧困はないものとして忘却されていた。しかし現在は,貧困を社会問題として考える時代になると同時に,貧困であることがあたかも犯罪であるかのようにみなされる「貧困の犯罪化」の認識も生じた。ここではその理由について考える。 |
第9回:貧困の再発見 1990年代後半に起こった格差社会論争,および2000年以降にわが国へ導入された社会的排除論から我々は何を見いだしたか。「見えるホームレス」「見えないホームレス」を用いて理解する。 |
第10回:子どもの貧困・若者の貧困 「貧困の再生産」という視点から子どもの貧困を理解することは政策において意味を持つ。しかしそれは親への責任を追及する論法になることもある。こうしたことを防ぐためには,現実に子どもに何が起きているか理解しなければならない。被雇用者の3分の1を超える非正規雇用に従事する若者は,組織社会の外部に置かれている。将来の見通しを持ちにくい若者を,いかにして社会的に包摂していくのか。そして包摂するための基盤は何か,を検討する。 |
第11回:地方の貧困・大都市の貧困 地方の貧困は大都市に移行していったのか。人口が減少する中で,地方の貧困はどうなるのか。このような問いを考えるには,政策決定に依存し,かつ政策に翻弄されてきた地方の実情を理解する必要がある。近年のホームレス問題は大都市がいかに貧困を吸収してきたか,そして統合し得なくなったことを示している。大都市における地域社会単位でも較差が生じる中で,これからのホームレス問題を考える。 |
第12回:貧困という体験 「貧乏くさい」という言葉にあるように,貧困体験は「恥ずかしい」ことと受け取られる。しかし同時に反発心を呼び起こすこともある。このような両面性がある。貧困体験がない者がその経験を適切に理解するためにはどうすればよいか。そのために,貧困体験の基盤にある,自立の追究,他者による承認,抑圧移譲について考えるが同時に貧困体験固有のものでないとも気付くであろう。 |
第13回:現代日本の貧困問題の対応と課題①(生存権の保障) 現代日本における,貧困問題への公的な対応・活動について理解する(生活保護制度)。そうした制度を支える生存権を理解する。 |
第14回:現代日本の貧困問題の対応と課題②(生存権の保障) 現代日本における,貧困問題への公的な対応・活動について理解する(生活保護制度と生活困窮者自立支援制度)。 |
第15回:現代日本の貧困問題の対応と課題③ 現代日本における,貧困問題への民間の対応・活動について理解する。 |