講 義 概 要 社会や世界との関わりのなかで、他者とのコミュニケーションを行う力を育成する観点から、外国語やその背景にある文化の多様性及び異文化コミュニケーションの現状と課題について学ぶ。
本講義では、1990年代以降、英語圏を中心に発達した「ヴィジュアル・カルチャー・スタディーズ」の動向をわかりやすく解説することによって、絵画、写真、映画、テレビ、広告といった視覚メディアが英語圏の文化にもたらしてきた多様な影響を概観し、加えてインターネットやソーシャル・メディアといった新しいコミュニケーション媒体がグローバルなポピュラー・カルチャーのあり方をどのように変えているのか、主要な文化理論とともに理解することを目的としている。
あわせて、英語が使われている国や地域の文化を通じて、英語による表現力への理解を深め、中学校及び高等学校における外国語科の授業に資する知見を身に付ける。本講義では随時ビデオや映画等の視聴覚資料を用い、授業支援システムを通じた反転学習も取り入れているので、「メディア・リテラシー」の授業としても機能するように計画されている。本来、こうしたメディア・リテラシー教育は初等・中等教育の段階から行われるべきものであるので、教師を志している学生は完全に修得しておくことが望ましいだろう。 到 達 目 標 本授業の到達目標は次の通りである。 1. 世界の文化の多様性や異文化コミュニケーションの現状と課題を理解している。 2. 多様な文化的背景を持った人々との交流を通して、文化の多様性及び異文化交流の意義について体験的に理解している。 3. 英語が使われている国や地域の歴史、社会、文化について基本的な内容を理解している。 授業手法 / Teaching Methods ・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック ・学生による学習のふりかえり ・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む) 授 業 計 画 授業計画 | 第1回:イントロダクション | 第2回:文化産業とアメリカ文化 | 第3回:アメリカ型消費社会の誕生 | 第4回:消費とポピュラー・カルチャー | 第5回:文化資本主義とメディア社会 | 第6回:シミュラークルとシミュレーション | 第7回:複製技術とポストモダニズム | 第8回:複製技術時代のポピュラー・カルチャー | 第9回:メディアはメッセージである | 第10回:メディアと権力 | 第11回:アメリカ文化支配と「異文化」 | 第12回:視線と権力 | 第13回:イメージと神話作用 | 第14回:SNS時代のポピュラー・カルチャー | 第15回:文化の多様性とグローバル文化 | 授業時間外学習 / Expected work outside of class | 毎週、授業支援システムを通してディスカッション課題を提示する。 |
評 価 方 法 定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。 評価基準:講義全体の内容を理解しているかどうかを確認する期末レポート(100%)で評価する。 基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy ① 知識・技能の観点 ・期末レポートで示された講義内容の理解度と知識 ② 思考力・判断力・表現力等の能力の観点 ・ディスカッション課題に対するコメント能力の上達度合い ・期末レポートで示された到達度 ③ 主体的な態度の観点 ・ディスカッション課題に対するコメントと貢献度 授業の方法 対面 オフィスアワー オフィスアワー 火曜・木曜昼休み その他 メールアドレス等は以下のホームページを参照のこと。 http://www2.itc.kansai-u.ac.jp/~go/ 教 科 書 特に用いない。 参 考 書 ホルクハイマー、アドルノ 啓蒙の弁証法 岩波文庫 ソースティン・ヴェブレン 有閑階級の理論 ちくま学芸文庫 ピエール・ブルデュー ディスタンクシオン 藤原書店 ジャン・ボードリヤール 消費社会の神話と構造 紀伊國屋書店 ジャン・ボードリヤール シミュラークルとシミュレーション 法政大学出版局 ジェレミー・リフキン エイジ・オブ・アクセス 集英社 ヴァルター・ベンヤミン 複製技術時代の芸術 晶文社 マーシャル・マクルーハン メディア論 みすず書房 ユルゲン・ハーバーマス 公共性の構造転換 未来社 ノーム・チョムスキー、エドワード・ハーマン マニュファクチャリング・コンセント トランスビュー ミシェル・フーコー 監獄の誕生 新潮社 ロラン・バルト 現代社会の神話 みすず書房 ジャン=フランソワ・リオタール ポストモダンの条件 水声社 フレドリック・ジェイムソン カルチュラル・ターン 作品社 備 考 授業支援システムを通してフィードバックを行う。 |