講 義 概 要 社会や世界との関わりの中で、他者とのコミュニケーションを行う力を育成する観点から、外国語やその背景にある文化の多様性及び異文化コミュニケーションの現状と課題について学ぶ。
本講義では、私たちの身の回りで日常的に起こっていながら、なかなか客観的に捉えることの難しい「グローバリゼーション」と「アメリカニゼーション」という二つの現象が、世界の文化の多様性や異文化理解のあり方にどのような影響を与えているのか、主要な文化理論とともに理解することを目的としている。マクドナルド、ディズニー、スターバックス、ファストファッションといった今や日常生活の一部となっているポピュラーな文化表象を解剖しながら、現代のグローバル文化とローカル文化のあり様をグローバリゼーションの裏側も見ながら考察していく。
あわせて、英語が使われている国や地域の文化を通じて、英語による表現力への理解を深め、中学校及び高等学校における外国語科の授業に資する知見を身に付ける。本講義では随時ビデオや映画等の視聴覚資料を用い、授業支援システムを通じた反転学習も取り入れているので、「メディア・リテラシー」の授業としても機能するように計画されている。本来、こうしたメディア・リテラシー教育は初等・中等教育の段階から行われるべきものであるので、教師を志している学生は完全に修得しておくことが望ましいだろう。 到 達 目 標 本授業の到達目標は次の通りである。 1. 世界の文化の多様性や異文化コミュニケーションの現状と課題を理解している。 2. 多様な文化的背景を持った人々との交流を通して、文化の多様性及び異文化交流の意義について体験的に理解している。 3. 英語が使われている国や地域の歴史、社会、文化について基本的な内容を理解している。 授業手法 / Teaching Methods ・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック ・学生による学習のふりかえり ・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む) 授 業 計 画 第1回:イントロダクション | 第2回:グローバリゼーションと貧困 | 第3回:グローバリゼーションと異文化支配 | 第4回:文化の均質化と「異文化」の消失 | 第5回:グローバル資本主義と消費文化 | 第6回:ファストファッションの真実 | 第7回:フェアトレードの可能性と限界 | 第8回:マクドナルド化する社会 | 第9回:フォーディズムからポストフォーディズムへ | 第10回:ディズニー化する社会 | 第11回:グローバル資本主義と文化資本主義 | 第12回:文化資本主義と限界費用ゼロ社会 | 第13回:共有型文化と非物質的労働 | 第14回:グローバル資本主義時代における文化の多様性 | 第15回:歴史の終焉とフラット化する世界? | 授業時間外学習 / Expected work outside of class | 毎週、授業支援システムを通してディスカッション課題を提示する。 |
評 価 方 法 定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。 評価基準:講義全体の内容を理解しているかどうかを確認する期末レポート(100%)で評価する。 基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy ① 知識・技能の観点 ・期末レポートで示された講義内容の理解度と知識 ② 思考力・判断力・表現力等の能力の観点 ・ディスカッション課題に対するコメント能力の上達度合い ・期末レポートで示された到達度 ③ 主体的な態度の観点 ・ディスカッション課題に対するコメントと貢献度 授業の方法 対面 オフィスアワー オフィスアワー 火曜・木曜昼休み その他 メールアドレス等は以下のホームページを参照のこと。 https://www2.itc.kansai-u.ac.jp/~go/ 教 科 書 特に用いない。 参 考 書 オックスファム・インターナショナル コーヒー危機 筑波書房 ナオミ・クライン ブランドなんか、いらない 大月書店 アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート 〈帝国〉 以文社 トマ・ピケティ 21世紀の資本 みすず書房 ジョージ・リッツア マクドナルド化する社会 早稲田大学出版部 アラン・ブライマン ディズニー化する社会 明石書店 アリエル・ドルフマン、アルマン・マトゥラール ドナルド・ダックを読む 晶文社 アルジュン・アパデュライ さまよえる近代 平凡社 ブライアン・サイモン お望みなのは、コーヒーですか? 岩波書店 ジェレミー・リフキン エイジ・オブ・アクセス 集英社 トーマス・フリードマン フラット化する世界 日本経済新聞出版社 フランシス・フクヤマ 歴史の終わり 三笠書房 備 考 授業支援システムを通してフィードバックを行う。 |