特定非営利活動法人 大学コンソーシアム大阪 
The Consortium of Universities in Osaka

2025年度シラバス

募集終了

Web出願登録締切

3/24

出願票提出締切

3/26

科目番号

F25068

科目名

日本古代史A

科目開設大学名

近畿大学

英文科目名

Japanese Ancient History A

配当学年

2

単位数

2

募集定員

10名

年間日程

年間日程表PDF

連絡先

大学院・共通教育学生センター
TEL:06-4307-3036

担当教員

鈴木 拓也

履修条件等

時間割

月曜日 16:45〜18:15 

開講期間

前期 

教室

A館301教室

キャンパス

講 義 内 容

講 義 概 要

奈良時代を中心とする日本古代の政治と文化に関する諸問題を考察する。
毎回、講義内容を記したプリントを配布し、関連する史跡や文化財の画像を併用して講義を進める。

到 達 目 標

受講者は、この授業を履修することによって、奈良時代の政治と文化に関する基礎的な知識を得るとともに、『続日本紀』などの文献史料や、古代の史跡・文化財に親しむことができるようになります。

授 業 計 画

第1回 奈良時代史概説
この講義で扱う壬申の乱から宇佐八幡神託事件までの政治と文化について概説する。
予習内容:高校教科書の奈良時代史に関わる部分を読み直しておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して奈良時代史について理解を深める。(60分)
第2回 祥瑞と改元
祥瑞とは君主の善政を讃えて天がもたらす特異な自然現象のことである。奈良時代には祥瑞による改元が行われていたため、「亀」や「雲」を含む年号が多いが、その多くは時の政治を正当化するための作為であった。
予習内容:奈良時代にはどのような年号があるのか調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して祥瑞改元について理解を深める。(60分)
第3回 壬申の乱
壬申の乱に至るまでの中大兄皇子と大海人皇子、壬申の乱の経過と結果、そして壬申の乱が後世に与えた影響について考える。
予習内容:壬申の乱について、書籍・インターネットなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して壬申の乱について理解を深める。(60分)
第4回 天皇と仏教
自らは「神」として仏教を外から支援した天武天皇、仏教に深く帰依して在位中に出家した聖武天皇、道鏡を寵愛して尼のまま重祚した称徳天皇。この差がなぜ生じたのかを論ずる。
予習内容:藤原京の大官大寺・薬師寺について、書籍・インターネットなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して天皇と仏教との関係について理解を深める。(60分)
第5回 古代国家と東人
古代国家が、東人(東国の人々)を天皇の身辺警護や防人・征夷軍などに利用してきたこと、反逆者に東人の武力を利用されないように、東国との境界に鈴鹿関・不破関・愛発関を置いたことなどを論ずる。
予習内容:亀山市史考古編HP・関ケ原町歴史民俗資料館HPを閲覧し、鈴鹿関・不破関について調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して古代国家と東人について理解を深める。(60分)
第6回 聖武天皇の東国行幸
藤原広嗣の乱の最中、聖武天皇は突如として平城京を離れ、東国への行幸を経て、恭仁京に遷都する。
そのことの意味を、聖武天皇の足跡に関わる近年の発掘調査の成果を踏まえながら考える。
予習内容:聖武天皇の東国行幸の評価を大きく変えることになった禾津頓宮跡の発見について、インターネットなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して聖武天皇の東国行幸について理解を深める。(60分)
第7回 恭仁京と紫香楽宮
聖武天皇が国分寺・国分尼寺建立の詔を発した恭仁京と、大仏造立の詔を発した紫香楽宮の構造を概観し、難波宮・紫香楽宮への遷都を経て平城京にもどるまでの聖武天皇の行動を解説する。
予習内容:恭仁京と紫香楽宮・甲賀寺について、書籍や国史跡紫香楽宮跡公式WEBサイトなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して恭仁京と紫香楽宮について理解を深める。(60分)
第8回 難波皇都宣言と聖武天皇
聖武天皇は、天平16年(744)2月24日に、元正太上天皇と左大臣橘諸兄を難波宮に残して、突如として紫香楽宮に行幸し、2日後の26日に、聖武のいない難波宮で、諸兄が難波宮を皇都とする勅を読み上げる。
この不可解なできごとの背景として、聖武と元正との対立を想定する説が定説になっているが、果たしてそうか。
2月24日の意味を、夭折した聖武の息子・安積親王との関係から解き明かす。
予習内容:聖武天皇と元正太上天皇との関係について、書籍・インターネットなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して当該時期の聖武天皇の行動について理解を深める。(60分)
第9回 聖武天皇と大仏
聖武天皇はなぜ大仏を造ったのか、開眼供養会を天平勝宝4年(752)4月9日におこなったのはなぜか、開眼供養会で彼が示したかったものは何かを考える。
予習内容:東大寺および大仏について、書籍や東大寺HPなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して聖武天皇と大仏について理解を深める。(60分)
第10回 行基の社会事業と大仏造立
国家の弾圧を受けながら民衆に布教し、土木工事などの社会事業を行っていた行基は、やがて聖武天皇による大仏造立に弟子を引き連れて参加し、仏教界最高の地位に就く。そのことの意味を、仏教者としての行基の立場から考える。
予習内容:行基およびその足跡について、書籍・インターネットなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して行基について理解を深める。(60分)
第11回 八幡神
現在の大分県にあたる宇佐地方の神であった八幡神が、国家を鎮護する神として発展し、ついには宇佐八幡神託事件が発生するに至る理由について考える。
予習内容:宇佐神宮HP・石清水八幡宮HPを閲覧し、八幡神について調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して八幡神について理解を深める。(60分)
第12回 春日社と藤原氏
藤原氏の氏神である春日社(春日大社は1946年以降の名称)は、中臣氏の祖先神である天児屋命・比売神のほか、常陸国の鹿島神、下総国の香取神という、関東地方の神を祭っている。
そのことの意味を、藤原氏および朝廷と東国との関係、奈良時代の政治史との関係から考える。
予習内容:春日大社HP・鹿島神宮HP・香取神宮HPを閲覧し、祭神や歴史について調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して春日大社と藤原氏について理解を深める。(60分)
第13回 古代の吉野
古代の吉野は、神仙の住む聖域、あるいは国栖が住む異境とされ、天皇がしばしば行幸した。
また日照りや長雨の時には丹生川上神社に馬を奉納して天候回復を祈った。
天皇や貴族にとって吉野がいかなる場所であったのかを考察する。
予習内容:吉野の歴史について、書籍・インターネットなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して古代の吉野について理解を深める。(60分)
第14回 古代の銭貨
富本銭はなぜ流通に失敗したのか、和同開珎は富本銭の失敗から何を学んで流通に成功したのか、本朝十二銭と言われる銅銭が国家によって繰り返し発行されたのはなぜかを考える。
予習内容:富本銭・和同開珎について、書籍・インターネットなどで調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して古代の銭貨について理解を深める。(60分)
第15回 国号「日本」の成立
「倭」から「日本」への国号の変更は、いつ、いかにしてなされたのか。そして、いかにして国際的な承認を勝ち得たのか。
そこには壬申の乱に勝利した天武天皇の「日」の思想と、33年ぶりの遣唐使として唐に渡った粟田真人の壮大な外交交渉があった。
予習内容:国号「倭」と「日本」について、辞典類で調べておく。(60分)
復習内容:配付資料を読み直して粟田真人について理解を深める。(60分)

評 価 方 法

期末レポート 60%
毎授業後の課題 40%

授業の方法

対面

教 科 書

教室で毎時間の初めにプリントを配布する。

参 考 書

[ISBN]9784062919043 『日本の歴史04:平城京と木簡の世紀 (講談社学術文庫)』 (渡辺晃宏, 講談社)
[ISBN]9784642005012 ほか 『国史大辞典』 全15巻 (国史大辞典編集委員会, 吉川弘文館 1979-1997)

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