キーワード 一国史の相対化、西洋中心主義の克服、相互依存、トランスナショナル、コモディティ・チェーン 、帝国と植民地、グローバル・スタンダード、マテリアル・ヒストリー、大衆消費社会、地球認識 講 義 概 要 [授業の目的] 本講義の目的は、従来の国家単位の歴史観(一国史)を超え、人・モノ・情報の「つながり」から世界を多角的に捉え直す視点を養うことです。 1)マクロな構造の理解: 帝国、条約、貿易システムといった枠組みが、いかにして地球規模の相互依存関係を構築したかを理解する。 2)ミクロな視点からの歴史化: 身近な消費財(ミルク、コーヒー等)や現代的課題(宇宙、薬物)を切り口に、日常と世界の歴史的つながりを具体的に考察する。 3)批判的思考の習得: 歴史叙述や教育における西洋中心主義を相対化し、多様な視点から現代社会の成り立ちを分析する能力を身に付ける。 [授業の概要] 本講義では、従来の「世界史」と聞くと、多くの人は教科書に並ぶ年号や国王の名前を思い浮かべるかもしれません。しかし、私たちが毎日飲むコーヒー、手にするスマートフォン、そして受けている教育のシステムまで、実はすべてが目に見えない「世界のつながり」によって形作られています。 この授業では、特定の国だけの歴史を追うのではなく、人・モノ・情報が国境を越えてどう動いてきたかという「グローバル・ヒストリー」の視点を学びます。 授業の前半では、帝国主義や国際条約といった「世界のルール」がどのように作られたかという大きな枠組みを扱います。後半では、ミルクやコーラ、タバコといった身近な「モノ」に注目し、それらがどのように世界を駆け巡り、私たちの生活を変えてきたのかを解き明かします。 「世界はどのようにして今のような姿になったのか?」という問いを、歴史という大きな地図と、日常という小さな虫眼鏡の両方を使って探求していくエキサイティングな講義です。
到 達 目 標 1.知識・理解: グローバルヒストリーの基本概念(一国史の相対化、相互依存など)を説明できる。 2.思考・判断: 身近な商品や現代的課題を、歴史的な構造(帝国主義、貿易システム等)と関連付けて多角的に分析できる。 3.技能・表現: 収集した情報を整理し、自身の見解を論理的な文章で表現できる。 授 業 計 画 | 1回目 | グローバル・ヒストリーとは何か | | 導入 | | 2回目 | 帝国主義の再考 | | 3回目 | 国際条約の時代と秩序 | | 4回目 | 世界の歴史叙述の問題 | | 5回目 | グローバル化と教育問題 | | 6回目 | 貿易システムと市場の形成 | | 7回目 | 奴隷貿易と人身売買 | | 8回目 | 宇宙開発と地球認識 | | 9回目 | 戦争のグローバル化 | | 10回目 | ミルクの歴史 | | 11回目 | コーヒーの政治経済学 | | 12回目 | コカ・コーラと米文化 | | 13回目 | タバコ・薬物問題 | | 総括と評価 |
評 価 方 法 詳細情報:各単元の理解度を確認するための授業内レポート(作文)を作成する。 評価基準:授業内でチェックポイントを明示し、解説を行う。
詳細情報:授業内で行うグループによるディスカッションを内容面から相互評価する。 評価基準:チェックリストを別途提示する。
詳細情報:各単元の理解度を確認するための授業外レポート(作文)を作成する。 評価基準:授業内でチェックポイントを明示し、解説を行う。 ※レポート(成果物)は、500字以上、「注釈」「参考文献一覧」がついていることが必須となる。(初回の授業で詳しく説明する)
授業の方法 対面 講義法 教 科 書 使用しない。適宜、レジュメや関連資料、必読論文のPDFをLMSに掲載する。 参 考 書 岸本美緒『東アジアの近世』世界史リブレット,山川出版社,1998年. 羽田正『新しい世界史へ―地球市民のための構想』岩波新書,2011年. 羽田正編『グローバルヒストリーの可能性』山川出版社,2017年. 羽田正『グローバル化と世界史』、東京大学出版会、2018年. 水島司編『グローバル・ヒストリーの挑戦』山川出版社,2008年. 水島司『グローバル・ヒストリー入門』世界史リブレット,山川出版社,2010年. セバスティアン・コンラート著、小田原琳訳、『グローバル・ヒストリー 批判的歴史叙述のために』、岩波書店、2021年. イマニュエル・ウォーラーステイン著(川北稔訳)『近代世界システム』全四巻,名古屋大学出版会、2013年. 備 考 ・追手門学院大学授業受講上のルールを厳守すること。 ・質問等は、LMS等を通じて受け付ける。
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