講 義 概 要 食をめぐる課題の深刻化に対応するため、平成17年に「食育基本法」が制定されました。食育は、全ての世代を通して間断なく推進されることが望まれます。特に子どもは、生きる力の基礎を育てる時期であり、健やかな育ちを保証するとともに、生涯にわたる食を営む力の基礎を培う食育のもつ意義は大きいものです。 「子どもの権利条約」に示される通り、子どもに関することが行われる時は、「その子どもにとって最もよいこと(子どもの最善の利益)」を第一に考えます。「食」は子どもの心身の育ちに大きくかかわるものであり、「子どもの最善の利益」の視点をもって判断し実践することが重要です。食育は食に関する教育であり、とくに体験を通して身につけていくことが望まれます。この授業では、子どもにとって最も良いこととしての食の実践に配慮しながら、「主体的・対話的で深い学び」をめざす食育について考えあいます。また、保育・教育現場では、全職員が協働して食育実践できるよう、食育計画を保育計画に位置付けることが重要となるため、そのあり方を考えられるよう、進めていきます。 到 達 目 標 ① 食育の定義、意義を正しく理解できる。 ② 保育・教育現場での食育計画のあり方を理解できる。 ③ 保育者・教育者として専門性を生かした食育実践を計画、実行できる。 授 業 計 画 | 第1回 オリエンテーション | | ・「食育」とは | | ・授業ガイダンス | | 第2回 適切な「食育のねらい」を考える① | | ・適切なねらいが重要であることに気付く(ねらい・内容・方法・評価との関係) | | 第3回 適切な「食育のねらい」を考える② | | ・ねらいとして「好き嫌いをなくす」と「好き嫌いなく食べる」と「好きなものを増やす」はどう違うのか。 | | 第4回 適切な「食育のねらい」を考える② | | 【演習1】保育・幼児教育での食育の位置づけを確認し、適切なねらいを考える | | 第5回 適切な「食育のねらい」を考える③ | | 【演習2】小学校での食育の位置づけを確認し、適切なねらいを考える | | 第6回 バランスよく食べることを身につけることをねらいに | | ・バランスの良い食事・適切な間食(季節と食、環境と食の視点も重視) | | ・そのまんま料理カード | | ・3・1・2弁当箱法 | | 【演習3】適切なお弁当を考えよう | | 第7回 配慮が必要な子どもへの食育① | | ・障害のある子への食育 | | ・持病のある子への食育:糖尿病児について考えよう | | 第8回 配慮が必要な子どもへの食育② | | 【演習4】アレルギー児のいる学校・園での食育を考える | | 第9回 配慮が必要な子どもへの食育③ | | ・アレルギー児のいる学校・園での食育について事例を通し理解を深める | | 第10回 代替食品について | | 第11回 代替食品を使ったアレルギー対応調理 | | 【調理実習1】 低アレルゲンカレー | | 第12回 災害時を意識した食育 | | 第13回 子どもと楽しむ調理 | | 【調理実習2】 豆腐団子 | | 第14回 食の安全と食育 | | ・「安全・安心」を確保しながら楽しく「主体的・対話的で深い学び」を実現できる方法を考える | | 第15回 振り返り |
評 価 方 法 授業参加への積極性・主体性 (提出物60%・グループ活動10%) 課題30%(課題提出遅れなどは減点とします)
【失格条件】 出席時数が開講時数の3分の2に達しない場合。 課題提出が無かった場合。 授業の方法 対面 教 科 書 不使用 参 考 書 1.「子どもの食と栄養第3版保育現場で活かせる食の基本」太田百合子、堤ちはる編著,羊土社発行,2025年 2.「新しい時代の保育者養成「子どもの食と栄養」」 進藤容子編著,山本友江,豊原容子,塩田二三子,反保多美子,廣 陽子 著,あいり出版発行,2012年 3.「幼児期の保育と食育 保育園・幼稚園での食育のすすめ方」小川雄二,須賀瑞枝 著,芽ばえ社,2017年 4.「食育と保育をつなぐ―こどもをまん中においた現場での実践―」濱名清美 著,建帛社,2018年 5.「「深い学び」が動き出す 食育の場をどうデザインするか 食育こそアクティブラーニング!20の実践と理論」,平本福子,女子栄養大学出版部,2019 6.「食に関する指導の手引き」文部科学省,2019年 7.「保育所における食育に関する指針」厚生労働省,2004年 8.「「食育」ってどんないいことがあるの? ~エビデンス(根拠)に基づいて分かったこと~統合版」農林水産省(令和元(2019)年10月) https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/index.html 備 考 ・課題については,ポータルサイトの「課題提出」を使用します。 ・毎時の授業での活動において、「子どもの食と栄養」で学んだ基礎的な子どもの食に関する知識を確認することが望まれます。予習2時間(90分) ・授業のふり返り、教材作成などの事後学習が必要となります。復習2時間(90分) |