キーワード 演劇ワークショップとその評価法 講 義 概 要 日常生活の中で人は何かしらの「役割」を演じながら生きています。家族と過ごす時、友達の前、教室の中、サークルでの自分はそれぞれ大なり小なりキャラクターが違う。という経験は誰にでもあると思います。そうした変化は、一見一時的・可逆的なものであるように見えるかもしれません。しかし、わたしたちはそうした経験の中から多くを学んでいます。その意味で、こうした経験もまた一つの人間の変容として、あるいはそれ以上に人間変容の基盤として特徴づけることができるかもしれません。本講義では、普段無意識に行なっている役割の演じ分け、他者とのコミュニケーションを、演劇的手法を用いて意識的に捉え直すことを試みます。講義中盤の社学連携企画では、企業から提示される具体的な課題やテーマに対し、コミュニケーションデザインの観点から取り組みます。企業の方々との協働を通じて、より実践的に課題解決のプロセスを学び、理解を深めます。講義後半ではグループに分かれて演劇的手法を用いたワークショッププログラムの開発・実践に取り組みます。ワークショップのデザイン、ファシリテーションを通じて、コミュニケーションをデザインの認識を深めます。また、演劇ワークショップの評価方法として、身体表現の変化に着目した「エスノメトリー法」を具体例に即して解説します。なお、演劇ワークショップの実践に関係する部分は、舞台俳優である紙本明子(特任研究員)が指導をサポートします。 到 達 目 標 (1) コミュニケーションをデザインする視点をもつことができる。 (2) 物語の背景、人物の感情や関係性等、物語を描くための要素を俯瞰する視点を持つことができる。 (3) 様々な価値観に触れ、自身の異文化受容態度を見つめ直し、他者理解に必要な新たな観点を持つことができる。 (4) 演劇ワークショップを通して様々な表現方法を知り、それを用いて自己を表現することができる。 (5) 自分と異なるバックグラウンドを持つ人々と対話を重ねて、共同でパフォーマンス作品を創作することができる。 (6) 演劇ワークショップ等の身体表現が重要となる実践に対する評価の方法の一つである「エスノメトリー法」につき基本的な知識を得ることができる。 授 業 計 画 | 1週 | オリエンテーション・自己紹介:授業の流れ、取り組みについての説明:シアターゲームを通じて様々な「自己紹介」の方法を体験する | | 2週 | シアターゲームを通じて、言語・非言語コミュニケーションを意識する:シアターゲームを通じて、身体表現や言語表現など様々なコミュニケーションの方法を体験する | | 3週 | 演劇ワークショップ①「件の宣言」:グループディスカッション・合意形成体験 | | 4週 | 演劇ワークショップ②「短編演劇創作」:「日常を再現する」ことにより無意識のパフォーマンスを”演技”として捉える | | 5週 | 社学連携企画①「企業におけるDE&Iとコミュニケーションデザイン」:社学連携企画では、企業から提示される具体的な課題やテーマに対し、コミュニケーションデザインの観点から取り組みます。企業の方々との協働を通じて、より実践的に課題解決のプロセスを学び、理解を深めます。連携企業:スギ薬局グループ | | 6週 | 社学連携企画②「企業におけるDE&Iとコミュニケーションデザイン」:連携企業:三菱電機 | | 7週 | 社学連携企画③「企業におけるDE&Iとコミュニケーションデザイン」:連携企業:住友ゴム工業株式会社 | | 8週 | 社学連携企画④「企業におけるDE&Iとコミュニケーションデザイン」:連携企業:調整中 | | 9週 | アクティブラーニング創作:グループでアクティブラーニングを開発する | | 10週 | アクティブラーニング創作(プレ実践):グループでアクティブラーニングを開発する | | 11週 | アクティブラーニング創作(プレ実践):プレ実践を行う | | 12週 | アクティブラーニング創作:プレ実践を経ての修正 | | 13週 | アクティブラーニング グループ発表:相互発表・合評を行う | | 14週 | アクティブラーニング グループ発表:相互発表・合評を行う | | 15週 | ワークショップの評価法「エスノメトリ解説」:身体表現をもとにしたデータ分析の方法として「エスノメトリー法」を解説する |
評 価 方 法 学習への参加度 30% 実技・実演 30% レポート・論文 40% 授業の方法 対面 1~14回:グループワーク 15回:講義形式 教 科 書 必要な資料はKOANあるいはCLEを通じて配布する。 参 考 書 ・平田オリザ・蓮行(2009)『コミュニケーション力を引き出す -演劇ワークショップのすすめ』PHP新書. ・蓮行・平田オリザ(2016)『演劇コミュニケーション学』日本文教出版. 備 考 演劇ワークショップの実践に関係する部分は、舞台俳優である紙本明子(特任研究員)が指導をサポートします。 演劇経験は必要ありません。 基本的に授業後感想文を提出してもらいます。 <その他備考> ・開講部局:人間科学部 ・授業実施日については、「年間日程表PDF」を参照してください。 ・当該科目の休講・補講情報については、「学生へのメッセージ」より確認してください。
学生へのメッセージ 更新日2025/10/8 17:8 ・(2025/02/17)1月28日(水)は大学院入試のため休講とします。補講日については、受講学生との話し合いの上あらためて設定します。 ・(2025/09)授業全体の目標、形式、内容に大きな変更はありませんが、第3回と第4回については、シラバス内容を若干変更しました。第5回から第8回についてもシラバス内容を変更し、社学連携企画としました。この変更にともない、講義概要の内容を補足しました。 ・(2025/10/02)初回の授業(10月1日)には、コンソーシアムの参加者がありませんでしたが、何かトラブル等ありましたでしょうか。何かありましたらわたくし藤川(fujikawa@hus.osaka-u.ac.jp)までご連絡ください。第2回目からの参加でも何ら問題はありません。 ・(2025/10/08)日付入りのシラバス(Excelファイル)を添付します。 ・(2025/10/10)第1回、第2回目の授業スライドを添付します。
 ファイル更新日:2025/10/10 12:32:36 |